2005年3月31日(木)「しんぶん赤旗」

卒業式に警官9人動員

「声が小さい」3回斉唱

「君が代」処分 被処分者の会が抗議


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都教委の処分決定に抗議して会見する「被処分者の会」の人たち=30日、東京・弁護士会館

 東京都教育委員会が卒業式で「君が代」に不起立だった教職員への処分を決定したことに対し、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会は三十日、記者会見を開き、抗議声明を発表しました。

 会見では今回の処分の対象となっている教職員らが発言。卒業生を担任していた教師は「強制を無批判に受けいれたら生徒との信頼関係がくずれると思った」と語りました。昨年に続いて二度目の処分が予想される教師は、都教委の事情聴取のさい弁護士の立ち会いを求めたが拒否され、弁明の機会もないまま処分が決定された経過を報告、「一般の処分なら半年ぐらいかけて慎重に決められるのに、一カ月もたたないうちに、脅しとして処分される。これが公正な処分といえるでしょうか」と怒りを込めました。

 被処分者の会の近藤徹事務局長は、昨年処分され不服申し立てをしている人たちの人事委員会審理がまだ始まってもいないのに、新たな処分が決定されたことを「社会常識にも反する」と批判しました。また、自身の勤務校の卒業式に九人の警察官、七人の都教委幹部職員が配置されたことや、別の高校で管理職が式の予行のさいに「声が小さい」などとして三回も生徒に「君が代」斉唱をさせた例をあげ、異常な卒業式になっていると告発しました。

 会見した被処分者らは強制反対の声が生徒・保護者・市民のなかに広がっていると指摘。近藤事務局長は「ほとんどの職場で、立つ人も立たない人も一緒になって、校長に職務命令を出さないことや、内心の自由について生徒に説明することを求めて運動している」と語りました。


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