2005年3月31日(木)「しんぶん赤旗」

不明の４３人全員無事

秋田の乳頭山で遭難

雫石町役場にバスで到着した乳頭山下山者ら＝30日午後10時半ごろ

　秋田県田沢湖町の乳頭山（一、四七八メートル）に登山に出掛け、一時消息を絶っていた同県内の年金者組合の登山サークル「山楽会」メンバー四十三人は三十日午後十時すぎまでに、全員が無事、岩手県側に下山しました。

　メンバーは六十―七十代の男女で、二十九日に日帰り予定で蟹湯温泉の登山道入り口から乳頭山に入り、一時消息を絶っていました。

　三十日午後一時五十分ごろ、メンバーの加藤節二さん（６１）が自力で下山し、登山道入り口とは反対側の岩手県雫石町の葛根田地熱発電所にたどり着きました。発電所は乳頭山の山頂から北東方向に約五キロ離れています。

　加藤さんは発電所から娘に電話し、娘が秋田県警角館署に通報しました。加藤さんは同三時すぎ、岩手県警に保護されました。

　また、山中で救助を待つ四十二人の一人からも、「蟹場温泉の尾根を間違って、葛根田に入った。けが人はないが、食べ物もない。地熱発電所が見える」と携帯電話で連絡がありました。

　両県警の救助隊が残りの四十二人が待機している尾根に向かい、同六時前、全員の無事を確認しました。