2005年3月31日(木)「しんぶん赤旗」

 ネスレ関連会社

パート5人 勝利判決

「請負」化での解雇無効

大阪地裁


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涙ぐみながら喜びの会見をする原告たち=30日、大阪市

 食品メーカー・ネスレジャパンのグループ会社、ネスレコンフェクショナリーの関西支店(大阪市)が、販売促進業務部門で働いていたパート労働者を外注化のために解雇し、個人請負契約を結んで働かせようとしたのは違法だと、解雇無効と賃金の支払いなどを認めた判決が三十日、大阪地裁でありました。小佐田潔裁判長は、解雇は「合理的な理由を欠き、社会通念上相当として是認することはできない」と、原告らの訴えをほぼ認めました。

 訴えていたのは、キットカットなどの菓子類の売り上げ促進に携わってきた東桂子さん(51)、長谷川恵密さん(56)、岸田和子さん(54)、澤井由美さん(38)、大久保節子さん(42)の五人。それぞれ一九九一年―二〇〇二年に契約社員として入社。一年の雇用契約を更新してきました。解雇を通告された〇三年六月、全労連・全国一般キットカット分会を結成しました。

 判決は、契約期間中の解雇について「早急に従業員の人員を削減しなければならない客観的事情は認められない」として、「無効」と断定。期間満了による雇い止めも「原告らは契約は更新されると期待をもつ合理的理由がある」「権利の乱用として無効」としました。

 原告団長で分会長の東さんは「パート契約といえども専門性をもって誇りをもって一生懸命やってきました。そこを訴えたのが裁判官の胸にとどいたのかなと思います」と喜びを語りました。

 原告の弁護団は「パート労働者についても外注化したことを理由に安易に解雇を認めず、整理解雇四要件を検討し、解雇無効としたことに意義がある。個人請負にさせて労働者でなくしていく流れに歯止めをかけるもの」と強調しました。


 個人請負契約 企業と雇用関係をもたない個人請負の契約労働者をいいます。企業が労働保険や社会保険の加入を免れるための手段になっています。雇用労働者と変わらない仕事をしながら、労働者としての法的保護を受けられない状況にあり、問題になっています。


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