2005年3月30日(水)「しんぶん赤旗」

「心理的圧迫かけよ」

国保料取立て サラ金まがい手引

小池議員が批判


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質問する小池晃議員=29日、参院厚生労働委

 高すぎて払いたくても払いきれない国民健康保険料(税)――滞納世帯の増加に、厚生労働省がサラ金まがいの「マニュアル」まで使って、取り立てをすすめている問題が二十九日、参院厚労委員会で取り上げられました。日本共産党の小池晃議員は「これが果たして社会保障と呼べるのか」と、同省の姿勢を批判しました。

 小池氏がとりあげたのは『国保保険料(税)滞納整理マニュアルI実務資料編』。国民健康保険中央会が二〇〇三年三月に発行、自治体の担当者に配布したもので、非売品のため一般には入手できません。内容について、厚労省の水田邦雄保険局長は、「国民健康保険課がアドバイスするという形で参画した」と関与を認めました。

 同マニュアルは、滞納者を敵視する立場から、「心理的圧迫を与えよ」「あつれきを恐れるな」と、取り立ての手法を詳述。収納率引き上げを求めています。

 小池氏は、滞納者にたいして「資格証明書」の発行、取り立て強化という制裁でのぞんでも、収納率は上がらないことを指摘。「三位一体」改革による国保の国庫負担引き下げにたいして、「(加入者に)無職、所得無し、低所得世帯が激増しているのだから、国の負担を増やすのは当然ではないか。国の負担を増やさなければ、保険料の負担がますます増え、払えない世帯も増える。悪循環が続くばかりだ」と強調しました。

 尾辻秀久厚労相は、マニュアルについて「はじめてきいた。読んで、検討させていただきたい」と答えました。


国保料滞納世帯

 厚労省の調査では、〇四年六月一日現在で四百六十一万世帯、全体の二割近くが滞納となっています。国保の国庫負担割合が医療費総額の45%から38・5%に削減された八四年以降、国保料引き上げが相次ぎ、滞納も急増。収納率は〇三年度で90・21%になり、このままでは90%を割り込むと危ぐされています。

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