2005年3月28日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

「ヘェー」では終われない

東京大空襲

語り継ぐ平和サークル P魂S(ピーソウルズ)


 「私たちは東京大空襲を日本中、そして世界中の人々に知らせていきます」。東京大空襲六十年に合わせて開かれたイベントで、こう宣言したのは「東京大空襲六十年の会」の若者たちです。中心になったのは東京の平和サークル「P魂s」(ピーソウルズ)。大空襲を語り継いでいくために二〇〇一年五月に結成され、それ以来ずっと活動を続けています。(藤川良太)

舞台の上でメッセージ

 三月六日、今を生きる人たちに東京大空襲の恐ろしさ、平和の大切さを伝えようとチャリティーイベント「愛と平和のひろば」が東京・六本木ヒルズで開かれ、約七百人が集まりました。女優の牧瀬里穂さん、川原亜矢子さん、秋吉久美子さんらも参加しました。

 P魂sの若者たちも、ステージに上がり、メッセージを読み上げました。メンバーは、パティシエ、保育士、学童保育の先生、ホームヘルパー、学生などさまざま。茶髪、ピアス、ネックレスにニットキャップ姿の二十代前半の男女八人です。

 「ピースな魂を持った仲間が集まり、東京で起こった大空襲を語り継ぎ、平和をつくっていくために、このサークルを作りました」とあいさつ。「過去の真実を知ることは、これからの毎日を楽しく、明るく平和に生きていくことにつながる。だから今、平和への思いを私たち一人ひとりができることから形に表していきましょう」と会場に呼びかけました。

 東京大空襲六十年の会は、二年前、「東京大空襲展―今こそ真実を伝えよう―」を開催するため結成されました。このとき、若い世代と一緒にやりたいと会から声をかけられたのがP魂sでした。

 P魂sを中心とした六十年の会の若者たちは、ガイドを務めることに。実感を持って伝えることができるように、大空襲の体験者から話を聞き、学習会や合宿をしてきました。展示会を控えた二月二十三日にも学習会を行い、空襲で焼け残った大イチョウを見に東京・墨田区にある飛木稲荷神社に足を運びました。

 学習会では、大空襲で市民が置かれた当時の状況を「感じる」ために赤いセロハンを用意。セロハンを電気を消した状況で目にあて、夜、炎の中で逃げ惑った市民の視界を体験しました。氷水で川に逃げ込んだ市民が、朝までつかっていた水温を再現。手をつけた参加者から「冷たくて痛い」の声が上がりました。

 見学した大イチョウは、いまもかなりの高さまで焦げたまま。若者たちは夜の暗い中、目を凝らして木を見上げ、空爆の火のすさまじさを想像しました。

 最後に円陣を組み「イベントには芸能人も協力してくれている。東京大空襲はもうマイナーなことじゃない。今が知らせるチャンスなんだ」。展示会に友人などを誘うことを確認しあいました。

展示会でガイド役

 「東京大空襲展」(三月五日―十日)の初日、一万人以上が訪れた同展で若者たちは、ガイドのほかに展示の一角も担当。展示を見終わった人たちの感想を集め、平和への気持ちを終結させた「ピースボード」をつくりました。ボードには学校の先生になりたいという人から「(大空襲の)こういう事を教えていきたい。教材にも取り入れていきたい」との感想も寄せられていました。

 P魂sの一人、木高愛蕗(めぶき)さん(23)は、戦争で中国人を殺害したという祖父に「心に傷を持って生きてきた」と打ち明けられたことがあります。祖父は戦争中、“桜が散るように自分たちも散れ”と教えられたため、花見に行きませんでした。

 木高さんは語り継ぐ理由を「祖父の言葉は大きかった。戦争はかかわった人に一生残ります。知り合いに戦争の話をしても『へェー』で終わっちゃうこともあるけど、絶対に気持ちが伝わるときがくる」と話します。

 戦災遺族で六十年の会の代表呼びかけ人の星野ひろしさん(75)は「今回の展示は大空襲の真実を明らかにするとともに若者たちに語り継ぎ、受け継いでいくという意味もある」と話しました。若者たちは、星野さんたちの思いをしっかり受けとめています。

 二十五日、中心的な役割を果たしてきたP魂sの正岡義之さん(23)は「体験者と一緒に取り組んで、過去と現在はつながっていること、語り継いでいくことの大切さを本当に感じることができました。年を取ってもずっと語り継いでいこうとみんなで話している。続けていきますよ」と話しました。


 東京大空襲 1945年3月10日に行われた、米軍による史上最大の空襲。2時間半の爆撃で推計10万人が亡くなり、310万人が家を焼かれました。市街地の80%が焼失。東京・墨田区を流れる隅田川は空爆の炎から逃れ、力尽きた死体であふれかえりました。


お悩みHunter

仕事が忙しく体重増ダイエットしたいが

  このところ、仕事が忙しく夜も遅いため、飲んで食べての毎日が続いています。この間、体重計にのったらびっくり。三キロふえてました。それでなくても太目のぼくです。さすがにダイエットしなきゃと思いますが、自信がありません。小林さんなら、減量の“ベテラン”だと思います。アドバイスをしてください。(25歳、男性。埼玉県)

食事制限より体動かして

  減量、ダイエットと聞くと、すぐに食事制限を思い浮かべますが食事制限だけで体重を落とすのは、無理があります。やや肥満の方がダイエットする場合、食事制限はあまり必要ではないと思っています。

 ダイエットで一番大切なことは、積極的に体を動かすことだと思います。太るのは、食事で摂取したカロリーを消費しきれず、脂肪に変えて体に蓄えることになるからです。

 ですから、摂取した分のカロリーを消費すればいいのですが、世の中、たいへん便利になってきています。そのため、現代人は頭と手は動かしても、体を動かす機会は減っているように思います。

 体を動かすといっても、何かスポーツをやれといっているわけではありません。例えば、どこかへ出かけるときに自転車で行くのです。私は十キロくらいの距離なら、いつも自転車で出かけています。

 もし、あなたの職場が住まいから数キロくらいのところなら、自転車通勤をすすめます。時間もいつもとさほど変わらないと思います。きっと、はじめの一カ月で二キロくらいは落ちるでしょう。

 そのうえ、太りにくい体になってきます。さらに、もっと短期間に体重を落としたり、もっとたくさん体重を落としたいときに、食事をいつもより少し減らせばいいようになります。くれぐれも無理な食事制限はしないようにしてください。

 第41代日本ウエルター級チャンピオン 小林秀一さん 東京工業大学卒。家業の豆腐屋を継ぎながらボクシングでプロデビュー。99年新人王。03年第41代日本ウエルター級チャンピオン。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp