2005年3月28日(月)「しんぶん赤旗」
米核兵器撤去求める
NPT会議向け
ベルギー上院委決議
五月にニューヨークで開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議に向け、ベルギー上院外交防衛委員会が決議を採択し、欧州にある米軍の戦術核兵器の撤去や北大西洋条約機構(NATO)の核戦略見直しを求めていたことがわかりました。
同国はNATO加盟国ですが、仏、独とともに対イラク戦争に反対してきました。
決議は、オランダ語を話す住民の政党、与党フラマン系自由民主党のファンクルケルスフェン議員ら七人が提案し、二十二日に全会一致で採択されました。
決議は二〇〇〇年の前回再検討会議で採択された、核保有国による「核兵器廃絶の明確な約束」を含む十三の措置をすべて引用。「NPTおよび二〇〇〇年の再検討会議での合意の履行が不十分だったことは明白である」と暗に核保有国を批判しました。
そして核保有国に軍縮の努力を求めたNPT第六条や核兵器の使用・威嚇を原則的に国際法違反とした国際司法裁判所の勧告的意見などをあげてベルギー政府に九項目を要求しました。
この中で「今年の再検討会議で、より厳格な軍縮の日程を定め、今後五年間の具体的な合意をつくる」「NATOの中で核軍縮に役立つ措置がとられるよう留意する」ことを求め、NATOの核戦略の見直しや「NPT第六条を尊重して米国の戦術核兵器を欧州から撤去する」ことを提言しました。