2005年3月26日(土)「しんぶん赤旗」
石播は再発防止守って
謝罪後も共産党員差別
112人が労働局に申告
東京地区
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総合重機大手の石川島播磨重工業の東京地区で働く労働者百十二人(退職者を含む)は二十五日、会社が極秘につくった名簿(「ZC計画管理名簿」)に基づいて長年続けてきた違法な思想差別の是正にむけて必要な指導をするよう、東京労働局に申告しました。
申告者の代表は、「私たちが『ZC計画管理名簿』のA級登載者であったことは明白です」「それなのに、石播本社は、『ZC計画管理名簿のA級登載者ではない』といって、要求書の受け取りさえ拒否し続けています」と訴え、いまも続く差別の中止と是正にむけ会社を強力に指導するよう求めました。
応対した東京労働局の担当者は、「みなさんの申告は、該当する各労働基準監督署に移送し、調査するようにします」と答えました。
今回の東京地区百十二人の申告で、呉地区(広島)三人、相生地区(兵庫)四人、愛知地区十七人、横浜地区十七人、武蔵地区(東京)七人と合わせて百六十人が各労基署に差別是正指導を申告したことになります。
石播は、「ZC(ゼロ・コミュニスト、共産党員撲滅の意味)計画管理名簿」という極秘の名簿をつくり、日本共産党員とみなした労働者を「A級名簿登載者」とし、仕事を取り上げ、不当に賃金を低くし、職場行事からも排除。徹底した差別を三十年以上続けてきました。職場全体の労働者を抑え込むテコとして思想差別を強めました。
石播の労働者は、差別の是正を求めてたたかってきました。二〇〇四年三月、東京地裁に提訴していた武蔵事業所の労働者八人が会社と和解。石播は「ZC名簿」の存在を認め、謝罪するとともに、賃金・資格を是正し、再発防止策も確約しました。
「ZC名簿」のA級登載者から差別の訴えがあった場合は、「早急に調査し、和解の精神にもとづいて誠実に対応する」と約束しています。