2005年3月26日(土)「しんぶん赤旗」

自衛隊誘致決議を撤回

沖縄・伊良部町議会

住民パワー勝利


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 沖縄県伊良部町議会は二十五日の臨時議会で、地元の下地島空港への自衛隊誘致を白紙撤回する決議を賛成十六、反対一で採択しました。二〇〇一年の自衛隊機訓練誘致決議(全会一致)、今月十六日の誘致決議(賛成九、反対八)を、住民の力でひっくり返したもの。採択の瞬間、傍聴席で見守っていた住民は「住民パワーの勝利だ」と喜びを爆発させました。

 (沖縄県・浅野耕世)


前夜の説明会 町民の半数参加

 同空港は米軍「再編」に絡み、米軍と自衛隊との共同使用や米海兵隊普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古沖移設に代わる候補地として狙われています。

 十六日の誘致決議も、政府幹部の意向を受けた南西諸島安全保障研究所の小幡光俊理事長が、伊良部町商工会と一部町議らに「三月中に決議をすれば、振興策をもってくる」と働きかけたことが発端といわれています。

 この誘致決議に、町民は島ぐるみで反対、二十一日には約千二百人が抗議集会。地域の青年団も決議を撤回するよう全町議に要請しました。

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自衛隊誘致決議を住民の力でひっくり返す契機となった住民集会=21日、沖縄県伊良部町

 二十四日夜には、自衛隊誘致に反対する住民委員会が十八人の町議全員を招いて説明会を開き、町民の半数にあたる約三千五百人が出席。「町民を無視した暴挙だ」「自衛隊の使用イコール米軍の使用だ」などの意見が相次ぎ、誘致に賛成した複数の議員が決議撤回を表明せざるを得ませんでした。

 説明会を主催した住民委員会の代表で、下地島空港施設労組の福島正晴委員長は「白紙撤回は住民パワーの勝利です。今後も下地島空港の軍事利用の動きがあるかもしれないが、町民の団結で断固として反対していきたい」と語っています。

 日本共産党は町議会に議席を持っていませんが、二十一日の住民集会に、嘉陽宗儀県議や上里樹党宮古郡委員長(平良市議)らが参加。赤嶺政賢衆院議員も昨年十一月、平良市で開かれた「下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民総決起大会」に参加するなど、同空港の軍事利用を許さない住民のたたかいを側面から支えてきました。


 伊良部町 伊良部島(周囲二十六・六キロメートル)と下地島(同十七・五キロメートル)からなり、人口は約七千人。国内唯一のパイロット訓練飛行場・下地島空港は一九七九年に開港。空港建設時には、当時の琉球政府と日本政府が同空港の軍事利用を認めない「覚書」を交わしています。


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