2005年3月22日(火)「しんぶん赤旗」

原則1割の自己負担に

障害者自立支援法案

老いた親からも徴収/自立に反する


 障害者に大幅な負担増をもたらす「障害者自立支援法案」が、国会に提出されています。利用者に原則一割の自己負担を求めることがおもな内容です。障害者本人に収入がなくても家族に収入があれば負担が重くなる仕組みが導入されようとしていることに、関係者から批判の声が出ています。

 いまの障害者支援費制度では、利用者の負担は所得に応じた「応能負担」になっています。法案はこれを、介護保険と同じように、かかった費用の原則一割を負担する「応益負担」に変更し、負担増を押しつけようとしています。

 政府は、応益負担の導入にあたって「低所得者への配慮」として、所得に応じた負担の上限を設けます(別表)。上限額は、世帯全体が住民税非課税かどうかでかわってきます。親やきょうだいの扶養義務を復活させ、世帯全体の所得で負担能力を判定しようというものです。

 いまの支援費制度では、利用者負担は所得に応じて決まりますが、二十歳以上の障害者の場合、親やきょうだいの所得はこれに含まれません。扶養義務者が配偶者と子だとされているからです。新しい仕組みはこれを改悪するもので、当事者からは「親と一緒に住んでいるといつまでも負担が軽減されない」「障害者の自立に反するものだ」などの声が出ています。

 日本共産党の紙智子議員が国会(十日、参院予算委)で取り上げ、「これでは年老いた親の年金からも費用をとることになる。『ようやく作業所に行きだしたわが子がまた家にこもらなくてはならなくなる』という涙ながらの声が寄せられている」と、導入をやめるよう求めました。尾辻秀久厚労相は「今後具体的な検討をすすめる」とのべ、再検討の余地があることを明らかにしています。


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