2005年3月18日(金)「しんぶん赤旗」
道路公団の疑惑「調査中」
技術系幹部と特定企業癒着
仁比議員に総裁が答弁
「国交省発注分ではわずか11%のシェアなのに、道路公団発注分では62%」――。本紙(昨年十二月二十日付)が報道した日本道路公団発注の橋梁(きょうりょう)工事に使用される資材をめぐる特定企業と同公団技術系幹部との癒着の問題が十七日の参院予算委員会でとりあげられました。追及したのは日本共産党の仁比聡平議員。道路公団の近藤剛総裁は「監察室で現在、調査中」とのべました。
本紙が昨年末報道
![]() 質問する仁比聡平議員=17日、参院予算委 |
仁比議員が同公団との癒着を指摘したのは、建設資材卸会社・アンダーソンテクノロジー社(東京・港区、以下ア社)。プレストレスト・コンクリート(PC)橋梁工事で使用するPC鋼材をコンクリートに定着させるための定着具を元請けゼネコンに販売しています。
定着具は主なもので七種類あり、基本的に性能は同等。ア社は、国交省発注工事分ではわずか11%のシェアにもかかわらず、同公団発注分では62%を占めています。
仁比議員はこの背景にあるものとして、同公団の角谷務技術部長(当時)とア社との癒着を明らかにしました。
角谷氏が公団に届け出た特許出願状況(九〇年以降)によると、角谷氏が発明者となっている五十一件中二十七件でア社が出願人などになっています。しかも角谷氏はその多くを、同公団で定められている届け出をせずにおこなっていました。
仁比議員は「ア社が特許の出願をしてそこに公団幹部が名前をならべる。それによって、公団工事の受注業者にその製品を使わざるを得ない圧力をかけていたのではないか」と指摘しました。
ア社にはこの五年間で道路公団のOB四人が天下り。旧建設省OBが現在、会長です。
仁比議員は、国土交通省国会連絡室に資料請求した文書がア社側に流れていた問題も追及。資料請求の対象としていたのは、同公団の角谷氏とア社との関係でした。
仁比議員は「公団幹部と企業との癒着解明をするための文書が、その疑惑企業に筒抜けになっている。議員の調査をゆがめようとした重大問題だ」と指摘。道路公団の近藤総裁も「起ってはならないことが起った」と調査を約束しました。
角谷氏は本紙報道後の昨年末、本社技術部長から同公団研究所へ異動となっています。


