2005年3月16日(水)「しんぶん赤旗」

埼玉・入間市議選 全員当選の背景

合併問題で違い鮮明

“住民要求が第一”に評価


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全員当選を市民に報告する(右から)石田芳夫、安道佳子、吉沢かつら、金子健一の4氏=15日、入間市

 十三日投開票の埼玉県入間市議選(定数二十四)で、日本共産党は定数四減のもと四氏全員当選を果たしました。四議席は前回も獲得していますが、議席占有率で過去最高(16・7%)、政党では公明党、民主党を抑えて第一党となりました。得票は六千八百三十七票で、前回を下回りましたが、参院比例票比では135%でした。

 選挙戦は「政党間闘争」が鮮明でした。市議選を「二大政党制の地域での足場固め」と位置づけた民主党はゼロから一挙に四人を公認・推薦。「全総支部が紹介カードを集約、提供する」方針を決め、県選出国会議員五人がテコ入れするなど、かつてない取り組みでした。

 現有五議席から三人立候補に絞った公明党は、もっぱら「共産党落とし」に力を入れました。結果は民主党が推薦候補一人を落とし、公明党は三議席でした。

地域の要求550通

 選挙戦勝利の背景には、住民要求実現に地道に取り組む日本共産党への共感がありました。

 党実施の市民アンケートは前回の三倍を上回る約五百五十通の回答があり、それぞれに地域要求が用紙に収まりきらないほどびっしり書き込まれました。日本共産党は住民要求実現に努め、交番廃止問題では犯罪増加の不安の声に応えて狭山警察署に交番充実を交渉。バスの利便性向上では西武バスと交渉し、それらの結果をビラで地域に報告したところ「こんなに早く対応してくれるとは思わなかった」と党候補の応援に市民が駆けつける場面もありました。

合併中止を要求

 市議選直前の一月末、市民のアンケートで反対多数となり、破たんした狭山市との合併をめぐる経過は政党の役割を象徴的に示しました。合併を押しつけた自民・保守、公明、民主系議員にたいし、日本共産党は「合併は市民にメリットがない」と反対を貫き、市民の気持ちを代弁する党の役割が鮮明になりました。合併推進勢力の間では「特例債目当ての強引なやり方が悪かった」とぼやきももれる一方、「合併中止は共産党のおかげ」と市民から信頼の声が多く寄せられました。

 選挙戦で奮闘した桜井喜美江さん(62)は「日本共産党議員の地域での実績は歩道整備や道路照明灯の設置など抜群で自治会長も一目置いています。政策は住民要求に基づいているからとっても具体的。そのことが市民から評価されたのだと思います」と話しています。

 議会新分野(カッコ内は前回当選者数)は、共産党四(四)、公明党三(五)、民主党二(〇)、無所属十五(十九)、定数四減。

 (埼玉県・川嶋猛)


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