2005年3月15日(火)「しんぶん赤旗」

中国全人代 反国家分裂法

台湾への中国の姿勢示す


 中国の全国人民代表大会(全人代)が十四日に採択した「反国家分裂法」は、台湾との平和統一に向けた中国の立場を改めて明確にしています。

 「世界に中国は一つしかなく、大陸と台湾は同じ一つの中国に属し」「台湾は中国の一部」(第二条)とするのは、中国の一貫した立場です。「一つの中国」は、国際的にも認められています。外部からのいかなる干渉も認められません。

 王兆国副委員長は、法案説明で、中国共産党の第十六回大会(二〇〇二年十一月)報告をもとに「一つの中国」論を繰り返し、とくに「平和的方式による」祖国統一を強調。それが「両岸(中台)同胞の感情の融合に役立つ」とし、「台湾の歴史と現実を十分考慮」するとしながら「一国二制度」を提案しました。

 新法では、第六条で「両岸関係」を強調。(1)両岸住民の往来による相互理解の促進(2)直接の通信、通航、通商という「三通」の推進(3)教育、科学技術、文化、保健衛生、スポーツ交流など具体的な交流強化策―を提起しています。

 また、第七条では、「(両岸の)対等な話し合い」を提起。具体的な課題として、(1)敵対状態の終結(2)関係発展の計画(3)平和統一への取り組み―などをあげています。

 その上で新法は、台湾分裂派がどんな名目ややり方であれ、あくまで台湾切り離しを進める場合、台湾の中国からの分離をもたらしかねない重大な事態となった場合、また平和統一の可能性が完全になくなった場合に、「非平和的方式その他の必要な措置を講じる」ことを規定しています(第八条)。そしてその場合に国務院(政府)、中央軍事委員会が決定を行うとしています。

 王兆国副委員長は、説明で「平和的方式」を繰り返しました。中国側の「平和解決」の意図が広範な台湾住民にどう伝わるのか。その点での中国側の今後の対応、進行中の通商関係や交流がどう展開されてゆくのか―が注目されます。

 (鎌塚由美)


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