2005年3月11日(金)「しんぶん赤旗」

犠牲者に思いはせて

台東区 東京大空襲の資料展


写真

東京大空襲資料展の戦災地図の前で当時を振り返る来館者=10日、東京・台東区

 東京大空襲資料展が十日から東京・台東区の浅草公会堂ギャラリーで始まりました。初日来館者は千五百人余。東京大空襲犠牲者追悼・記念資料展実行委員会が主催。

 資料展は、「戦勝」と書かれた陶製のゴマいり器など当時の日用品や教科書、疎開児童が家族にあてた手紙、防空ずきんなどを展示。当時を語るビデオコーナーもあります。壁には大空襲後の惨禍や広島・長崎の原爆投下、沖縄戦の写真が掛けられ、戦争が引き起こす現実を伝えます。

 会場のあちこちで、体験者の描いた絵や写真を指さし、炎のなかを逃げ惑った体験を語り合う姿がありました。現在の台東区あたりの深川区、本所区、浅草区の焼失区域を描き出した大きな戦災地図(中野区立中央図書館作製)。この地図の前では「私はここで被災した」などと、多くの人が互いの経験を話していました。

 「(私たち生存者は)犠牲者のうえに生かしてもらった」と語る埼玉県在住の石川和子さん(70)。当時、深川区に住んでいました。大空襲で焼け出されましたが、家族六人は無事でした。「いま生きているのが感慨深い。いまの若い人たちにいのちの大切さを知ってほしい」と話しました。

 同展は十三日まで。会場は東武線または都営浅草線・銀座線浅草駅近く。


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