2005年3月8日(火)「しんぶん赤旗」
巨匠が「音魂(おとだま)」入れる
長野・木曽福島 陳さん寄贈のバイオリン
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世界的なバイオリン製作者の陳昌鉉さん(75)が、長野県の木曽福島町(田中勝已町長)に贈ったバイオリン「木曽号」の「音魂(おとだま)入れ」が六日、バイオリニストの巨匠イブリー・ギトリスさんによって行われました。
木曽文化公園・文化ホールでの「第二回森の国・国際音楽祭」にギトリスさんが出演した際に行われたもの。ギトリスさんが「木曽号」で「浜辺の歌」の一節を演奏しました。陳さんは舞台に登り音魂入れに立ち会いました。田中町長も会場で見守りました。ギトリスさんは、「やわらかい音がする。いい楽器だ。いつかまた弾きたい」と述べ、「木曽号」の音色をたたえました。
陳さんは、「私は、三十年ほど前に彼が来日したときお会いした。彼のストラディバリウスを手にとって見せてもらいました。明るくて力強い音で、保存状態もいい。非常に勉強になった。そのギトリスさんに、青春時代四年間をすごした木曽福島で、私のバイオリンを弾いてもらえて、製作者みょうりに尽きる」と語っていました。
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田中町長は、「世界のバイオリニストの現役最長老で巨匠のギトリスさんに弾いてもらい幸運だ。七月には『木曽号』のお披露目コンサートを札幌交響楽団を招いて開きますので、多くの方にきてもらいたい」といいます。
陳さんは青年時代に木曽福島町で、砂利採取の仕事をしながらバイオリン作りの修業をしていました。田中町長も同じ時期に同じ仕事をしていました。そうした縁もあって木曽福島町にバイオリンを贈っていました。



