2005年3月5日(土)「しんぶん赤旗」

改憲勢力がねらう、07年までの日程とは?


 〈問い〉 改憲勢力がねらう07年までの日程とはどんなものですか?(大阪・一読者)

 〈答え〉 国民の審判を受ける国政選挙は、衆院の解散・総選挙がない限り、07年(参院議員の半数と衆院議員の任期切れ)までありません。それまでに憲法改悪の道をつけたいというのが改憲勢力のねらいです。それにむけて、今、自民党と民主党が競い合い、財界や一部マスメディアが後押しする形になっています。

 しかし、「9条の会」への賛同の広がりなど、憲法改悪を許さない世論と運動が広がっています。これをさらに広げれば改憲勢力のもくろみを阻止する展望も生まれます。その意味で、改憲勢力の狙う「日程」自体がせめぎあいの焦点であり、それを許さないたたかいが課題になっています。

 当面の焦点の一つは、衆参両院に設置された憲法調査会の最終報告です。自民党や民主党などは、改憲意見が多数と明記し、一定の方向付けをだした「最終報告」をまとめようとしています。これは、調査会規程にも反するものです。最終報告後には、調査会の性格を変え、現在はない法案審議権をもたせる国会法「改正」案を4月までに成立させることをねらっています。その上で、改憲のための手続き法である国民投票法案を提出、調査会で審議、年内成立をもくろんでいます。

 自民党は、これと並行して、結党50年にあたる今年11月までに党としての「新憲法草案」を発表する計画をしています。それにむけて、04年12月に新憲法制定推進本部(本部長・小泉首相)を設置。そのもとにおかれた起草委員会(座長・森前首相)が10の小委員会を置き、3月中に小委員会での意見をまとめ、4月には「森試案」を公表する方針です。その後は、地方公聴会などで世論盛り上げをはかろうとしています。

 民主党は、昨年12月の党大会で、改憲案の土台になる「憲法提言」を3月をメドに作成することを決定。そのため、5つの小委員会で論議しています。そのうち国際・安全保障小委は3月20日をめどに9条改憲に関する見解をまとめることで一致しました。

 公明党は、昨年の党大会で、9条も「加憲」(現行憲法に条項を付け加える改憲のこと)の対象とすることを決定。「憲法改正見解」を6月までにまとめる予定です。(藤)

 〔2005・3・5(土)〕


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