2005年3月4日(金)「しんぶん赤旗」

学生無年金障害者勝訴 母親も、うれし涙

支援者「運動続ける」


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判決後の報告集会で、全面勝訴の判決を支援者らと喜ぶ鳥羽秀範さん(右)と母の智子さん=3日、広島市中区の弁護士会館

 学生無年金障害者訴訟の広島地裁の勝利判決を受けて、「鳥羽秀範さんの障害基礎年金受給の実現を支援する会」(久保正道代表世話人)は三日報告集会を開きました。約百二十人が参加した集会で鳥羽さんの母親の智子さん(71)は「私一人ではこんな大きな勝訴判決を得ることはできなかった」と目頭を押さえました。二〇〇一年九月から始まった訴訟は三年半をへて画期的な全面勝利をおさめ、支援者らの喜びが広がりました。

 石口俊一弁護団長は「きょうはうれし涙になればいいなと裁判所に来た。判決はたくさんの応援の結果だ」と感謝をのべました。

 無年金障害者をなくす会の松末和江代表世話人は「無年金をなくす運動は十五年になる。納得できないことは運動するということの大切さを改めて実感している。いろんな理由で無年金の人がまだたくさんいるので運動を続けたい」。

 年金者組合広島県本部の二本松勉執行委員は「誰もが安心できる老後の確立を求める年金者組合として、判決に喜んでいる。一緒にがんばろう」と語りました。

 裁判で証人として陳述した鈴木勉仏教大教授はいいます。「国に言いたいのは二人の原告にこれ以上苦労させるなということ。年金制度全体が、国際水準に照らして低いことこそ問題だ。判決は年金政策に風穴を開ける内容を含んでいる」

 集会の最後に久保代表があいさつ。「国の控訴断念と処分の取り消しが当面の目標だが、政府の障害者福祉への攻撃が相次ぎ、私たちの取り組みはさらに広いものになっていく」と支援を訴えました。


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