2011年10月29日(土)「しんぶん赤旗」

小沢被告公判

報告書全体「先生に見せる」

石川被告あやふや説明


 資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第3回公判が28日、東京地裁(大善文男裁判長)であり、元秘書で衆院議員の石川知裕被告(38)=一審有罪、控訴=の証人尋問が行われました。石川被告は、「小沢先生からお預かりした4億円を記載した」と述べ、改めて虚偽記載を否定しました。

 検察官役の指定弁護士側は、陸山会が2004年10月12日、土地購入のため元代表から借りた4億円を「表にできないカネ」と考えた石川被告が、元代表に「銀行借り入れで土地代金を決済した形を取りたい」と説明し、了承を得たと主張。04年分報告書の「借入金 小澤一郎 4億円」との記載は、同額の融資を記載したもので、元代表からの4億円を隠す偽装工作だったとしています。

 尋問で、指定弁護士は、この記載を示し、「記載された4億円は、元代表から渡されたものか、銀行融資か」と質問。石川被告は、「小沢先生からのものだ」と説明。しかし、銀行の融資を記載したのかと問われると、「小沢先生から預かった4億円で全ての手続きを行ったと思っている。どちらを記載したかと言われると困る」とあやふやな説明に終始しました。

 石川被告が前任の秘書からの引き継ぎ事項を記したノートの「全体 先生に見せる」との記載について、「収支報告書全体を見せるという意味ではないのか」と追及され、「そうかもしれない」と答弁。また、関連政治団体の収支状況一覧表を作成していたことを認め、「先生から聞かれたときに、報告していた」とのべ、元代表が収支報告書に関心を持っていたことがわかりました。

 尋問では、元秘書、池田光智被告が作成した引き継ぎノートも示され、「先生が買いたいというホテルニューオータニの中のテナント 6億円 現在、P社の創業者とD建設が折衝中」とあり、元代表が不動産購入に執心していたことも浮き彫りになりました。





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