2011年10月14日(金)「しんぶん赤旗」

欧州委員会 銀行資本増強を提案

政府債務危機の波及防止


 【ロンドン=小玉純一】欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は12日、政府債務危機が欧州の銀行経営に波及するのを防ぐため、銀行の資本増強を提案しました。同日、発表した「安定と成長のための行程表」で明らかにしました。

 銀行が持つギリシャなどの国債を厳格に査定した上で、(1)損失を計上して資本不足となった銀行は資本増強計画を立てて実行し、実行するまで配当と賞与を停止する(2)増強の資金は銀行が民間から調達し、できないなら政府が資金投入する(3)最後の手段としては欧州金融安定化基金(EFSF)が手当てするという内容です。

 欧州議会で説明したバローゾ委員長は、「政府債務危機と銀行の問題はリンクしている」として銀行の資本増強の緊急性を強調しました。

 欧州委員会は来週開かれるEU財務相理事会での検討を経て、23日のEU首脳会議で合意したい意向です。

 独仏首脳は9日の会談で銀行の資本増強で合意しています。ギリシャ国債を大量保有していたフランス・ベルギー系金融大手デクシアが経営破たんしたばかりです。南欧諸国の国債下落で欧州の銀行の資産状況が悪化していると見られています。

 バローゾ委員長はまた、EFSFを恒久化する欧州安定メカニズム(ESM)の発足を当初予定より1年前倒しし、2012年半ばと提案しました。





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