2011年10月2日(日)「しんぶん赤旗」

ミャンマーに新しい動き

スー・チー氏に政党登録を要請

巨大ダム建設も中断


 ミャンマー政府は9月30日、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏に対して、同氏が率いる国民民主連盟(NLD)を政党登録するよう要請するとともに、約2000人の政治囚釈放についても協議しました。一方、テイン・セイン大統領は住民の反対が強い巨大ダム建設中断を発表し、民主化の前進を示すものだと強調しました。 (面川誠)


 NLDは昨年11月の総選挙をボイコットしたため、政党登録を取り消されました。登録要請をスー・チー氏に伝えたアウン・チー労相は現地記者団に対して、「NLDが法に従って公式登録すれば、喜んでNLDとともに活動する」と語りました。

 スー・チー氏は即答を避ける一方で、「選挙が民主主義の一部だと理解している」と述べ、再登録に前向きな姿勢を示しました。

 3月のテイン・セイン大統領就任で軍政から「民政移管」した後、政府はスー・チー氏との対話を積極的に推進。8月には同氏との間で、民主化に向けて協力するとの共同声明を発表しました。

 国際的な経済制裁の解除と経済支援を求めている政府にとって、最大の足かせが政治囚の存在です。ワナ・マウン・ルウィン外相は9月27日の国連総会演説で、「大統領は近く適切な時期に特赦をさらに実施する」と述べました。ロイター通信によると、数百人の政治囚が釈放される見通しだといいます。

 テイン・セイン大統領は9月30日、北部カチン州のイラワジ川に建設中の巨大水力発電ダム「ミッソンダム」の建設中断を発表しました。大統領は議会演説で、「国民の選択で誕生した政府は、国民の要望に従って行動しなければならない」と強調しました。

 現地の少数民族カチン族はダムに強く反対。武装組織「カチン独立軍」と政府軍の衝突の一因になっていました。

 NLD関係者はロイター通信に対して、「カチン州選出の国会議員がダムに反対している。政府は民意を無視できなくなってきた」と語りました。

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