2011年9月30日(金)「しんぶん赤旗」

不本意な雇い止め「同意」を撤回

ソニーに雇用延長させた


 震災を口実にソニーが被災地で期間社員の大量解雇をすすめている問題で、ソニー労働組合仙台支部(電機連合加盟)は28日、団体交渉を行い、不本意ながらいったん雇い止めに「同意」した期間社員2人の同意撤回を会社に認めさせる重要な成果を勝ち取りました。


労組に加入の期間社員2人

 2人は、雇い止めの同意を拒否していた期間社員たちと一緒に、10月も1カ月雇用延長され、雇用継続を求めて、会社と交渉を続けることになります。

 ソニーは仙台テクノロジーセンター(宮城県多賀城市)の事業を縮小し、正社員広域配転、期間社員150人全員の雇い止めを計画。4〜5月末にかけ、期間社員に対し、わずか5分の個人面談で、「3カ月だけ契約更新した後、雇い止め」という内容に同意を求めました。

 ソニー労組に加入した期間社員22人のなかには、面談前に加入して同意を拒否した人と、泣く泣く「同意」の判を押した後で労組の存在を知り、加入した人がいました。「同意」した雇い止めの期限は9月末でした。

 ソニー労組は、「同意」は不本意なものであるとして撤回を主張しましたが、会社は「同意」が有効であるとして、9月末で雇用を打ち切る構えを見せていました。

 しかし、ソニーの大量解雇問題を日本共産党の山下芳生参院議員が国会で取り上げ(7月22日)、宮城労働局がソニー労使双方に「労使間の話し合いによる解決が極めて重要である」と啓発指導し、労使の合意なしに一方的に雇用を打ち切るべきでないという判断を示しました。

 「同意」撤回が認められた男性(34)は、「ソニーの姿勢を変えさせるのは厳しいかと思ったが、雇用延長されてうれしい」と話しました。もう一人の男性(33)も「ほっとした。みなさんの支援のおかげでスタートラインに立てた」と喜びました。

 2人は、工場門前や多賀城駅、仙台駅での宣伝などにも休みなく参加し、自らの現状について訴えてきました。

 ソニーは、1カ月の暫定雇用延長の代わりに、契約満了時に支払うとしていた慰労金(賃金3カ月相当)を1カ月分ずつ減額すると提案を続けており、予断を許しません。

 松田隆明委員長は、「全国からの支援と、期間社員の粘り強いたたかいで前進を勝ち取れました。この問題を、非正規雇用労働者全体の権利を守る問題として、取り組んでいきます」と語りました。





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