2011年9月29日(木)「しんぶん赤旗」

上海地下鉄事故

信号装置 度たび故障

高速鉄道事故と同じ企業製


 【北京=小寺松雄】上海地下鉄10号線で日本人5人を含む280人以上の負傷者を出した27日の追突事故で、原因とみられる信号装置について本格的調査が始まりましたが、この装置はこれまでもたびたびトラブルを起こしていたことがわかりました。

 信号装置は、中国鉄路通信信号集団公司とフランスのアルストム社の合弁会社カスコ社が製造したもの。同社は北京、上海、天津、深圳の地下鉄にも信号装置を供給しています。

 新京報28日付など中国メディアによると、この10号線では今年7月28日夜のラッシュ時にも、車両が突然違う路線に入る事故が起きていました。カスコ社の信号は、今年7月23日に浙江省で追突事故が起きた高速鉄道にも使われていました。

 現地メディアによるとカスコ社は取材を拒否しています。

 また同路線は、前の列車との間隔が近づくと自動的に減速・停止する自動列車防護装置(ATP)が働くとされていました。しかし「ATPは作動しなかった。なぜだかわからない」という運転士の談話も報じられており、この点の解明も求められています。

 この事故で診察を受けた人は28日午前9時(日本時間同日同10時)現在、284人に増えました。そのうち、経過観察も含め95人が入院しています。市当局は28日、「生命の危険がある重傷者はいない」と発表しました。





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