2011年9月27日(火)「しんぶん赤旗」

陸山会事件・西松建設違法献金 東京地裁判決

公共工事で「天の声」

献金主体隠すダミー団体


 「新政研(新政治問題研究会)および未来研(未来産業研究会)は、西松建設がその社名を隠して政治献金を行うための隠れみのにすぎないと評価できるのであって、政治団体としての実体はなかったというべきである」―。民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、26日、東京地裁は元公設第1秘書、大久保隆規被告がかかわった「西松建設」違法献金事件について、こう断じました。また、判決は、大久保被告が東北地方の公共工事で「天の声」を出していたことも認めました。


 新政研、未来研は、西松建設が正体を隠して、政界に献金をするために作ったダミー(隠れみの)政治団体であり、本紙は同社が2団体を通じて政界にばらまいたカネは小沢氏側はじめ、自民党の二階俊博元経済産業相、森喜朗元首相など約20人に対し、約4億8000万円にのぼることを明らかにしてきました。

 小沢氏側には、判明しているだけで、1億2900万円が提供されており、このうち、3500万円分について、大久保被告が起訴されていました。

 判決は、岩手県や秋田県での公共工事受注について、「いわゆる本命業者の選定に関して、小沢事務所の意向が決定的な影響力を持っており、その了解がなければ本命業者になれない状況だった」と指摘。「小沢の秘書から発せられる本命業者とすることの了解は、ゼネコン各社にとっては、いわば『天の声』と受け止められていた」として、2002年、03年ごろから大久保被告が、「天の声」を発出する役割を担うようになったとしました。

 そのうえで、公共工事の談合による受注獲得のために献金している西松建設が、小沢事務所に西松による献金であることを理解してもらわなければ意味がなく、小沢事務所における政治献金の受け入れ窓口であった大久保被告が、「献金の主体が西松であることを理解していなかったことは到底考えられない」と指摘しました。

 判決は、水谷建設の1億円裏献金の事実も認定。国民の税金で行われる公共事業で利益を享受している企業から巨額の資金提供を受け、受注のための「天の声」を出す、という癒着の構図が浮き彫りになりました。

表




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