2011年9月25日(日)「しんぶん赤旗」

パレスチナ国連加盟申請 一般討論

アッバス議長「主権ある祖国に」

イスラエル入植を批判


 【ニューヨーク=小林俊哉】23日の国連総会一般討論は、パレスチナ自治政府のアッバス議長、イスラエルのネタニヤフ首相が登壇し、パレスチナ加盟問題が最大の焦点となっている討論のハイライトとなりました。


 各国代表団が何度も立ち上がって喝采し、熱気につつまれたアッバス氏、静まる中で拍手がときどき起こるネタニヤフ氏。193カ国が集う総会の反応は対照的でした。

 アッバス氏は、加盟を申請する“大義”の強調に演説の大部分を費やしました。

 イスラエルによる占領、入植活動で引き起こされている国民の生活の困難ぶり、そのもとでも独立国家に向けて国家機関の整備に努めてきたこと、にもかかわらず、イスラエルの入植活動の拡大によって、さまざまな交渉の努力が「木っ端みじん」にされていることなどを詳細に述べました。

 長期に続いたこうした苦しみに「もうたくさんだ」と3度繰り返した同氏は、パレスチナ人が求めているのは「他国民と同様に、主権ある祖国で自由に暮らすことだ」と主張。パレスチナを正式加盟国として認めることこそ、「平和への道だ」と呼びかけました。

 ネタニヤフ氏は、同国の入植活動によって交渉がすすまないのではなく、パレスチナ側がユダヤ国家としてのイスラエルを認めないことが問題だと主張。占領については、「自衛のためには、戦略的に重要な地域に長期的に軍事力を維持しなければならない」と述べました。

 申請について協議するのは安保理で、次回会合は26日に開催されます。

 同日、中東和平を仲介する米国、ロシア、欧州連合(EU)、国連の4者(カルテット)が急きょ提案した新たな交渉の開始案については、双方が合意するか不透明です。





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