2011年9月22日(木)「しんぶん赤旗」

「来夏までに再稼働」

原発問題 首相が表明


 野田佳彦首相は21日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、運転停止中の原子力発電所について「来年の春以降、夏に向けて、再稼働できるものは再稼働していかなければいけない」と表明しました。事故収束の見通しもたたないなかでの“再稼働”宣言は、国民の強い批判を免れません。

 首相は、再稼働の理由として「電力不足になった場合は、日本経済の足を引っ張ることになる」と説明。電力需給に関し「今年の冬も大丈夫だろう」との見通しを示したものの、来年も原発再稼働は必要ないとの指摘に対しては「あり得ない」と否定しました。

 原発再稼働に向け、首相は「ストレステスト(耐性試験)を含めて、より安全性を確保するチェックをしながら、原発立地県、地域の理解をいただくことが大前提だ」と述べました。新規の原発建設については、「既に着工し、九十数パーセント(出来上がっている)というところもあり、個々の事案に即して対応していきたい」と語りました。

 政府のエネルギー・環境会議が7月末に示した電力需給の試算では、再稼働なしの場合、来夏マイナス9・2%の電力不足になるとしていますが、これは節電を実施していない昨夏の最大電力需要を基準にしたもの。また、火力発電なども今年7月時点の供給力で計算しています。





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