2011年9月18日(日)「しんぶん赤旗」

パレスチナ 国連加盟申請へ

アッバス議長「正当な権利」


 【カイロ=伴安弘】パレスチナ解放機構(PLO)のアッバス議長(自治政府議長)は16日、ヨルダン川西岸のラマラで演説し、来週開幕する国連総会に向け、国連安保理にパレスチナ独立国家の正式加盟を申請する方針を明らかにしました。

 加盟には安保理の勧告を得る必要があります。イスラエル寄りの立場にたつ米国が拒否権行使を表明しているため、加盟が実現する可能性はありませんが、国際世論の支持を背景に、米国とイスラエルに譲歩を迫る狙いです。

 アッバス議長は、1967年までの境界を国境とし、ヨルダン川西岸とガザ地区を領土とし、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の承認を求めると述べ、「われわれがパレスチナの正式加盟を国連に求めるのはわれわれの正当な権利だ」と強調しました。

 同議長は、たとえ今回、加盟が拒否されても、今後とも加盟を求めていくと表明。また、米国などがイスラエルとの交渉に戻るよう主張していることに対し、「交渉によって(合意を)達成するというわれわれの真摯(しんし)な継続的な努力と(イスラエルによる)占領を終わらせ独立国家に到達するという決意は行き詰まりに陥っており、死を迎えている」と主張しました。

 一方で、加盟申請が交渉にとって代わるものではないとも指摘し、パレスチナ国家が承認されたとしてもイスラエルの占領が終わるわけでもないと述べ、今後も暴力を排除し、平和的に問題を解決していくとの姿勢を示しました。

 同時に、「われわれはイスラエルの正当性を否認しようとしているのではなく、われわれの領土に対するイスラエルの占領の不当性を明らかにしようとしているのだ」と強調しました。


 国連加盟手続き ある国が国連に加盟するには、(1)安保理(15カ国)で、常任理事国(5カ国)による拒否権行使がなく、9カ国以上の賛成で加盟勧告が採択され、(2)国連総会(193カ国)で、加盟承認が3分の2(129カ国)以上の賛成を得る―の2条件を満たす必要があります。





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