2011年9月17日(土)「しんぶん赤旗」

大企業の富を国民に還元

内需主導へ改革を

震災復興・原発問題など追及

市田書記局長が代表質問

参院本会議


 日本共産党の市田忠義書記局長は16日、参院本会議で代表質問に立ち、大震災からの復旧・復興、原発事故対策、深刻な円高への対応などで野田政権の姿勢をただしました。(代表質問


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(写真)参院本会議で代表質問に立つ市田忠義書記局長=16日

 市田氏は、円高への野田政権の対策は、大企業への立地補助金と外国企業の買収支援という「あまりにもお粗末なものだ」と批判。輸出大企業は円高のたびに、賃下げや首切り、単価切り下げなど、いっそうのコスト削減で輸出を増やし、それがまた円高をよぶ悪循環をつくり出してきたと根本問題を指摘しました。

 こうした悪循環から脱するためには、日本経済を“外需頼み”から内需主導に改革することに正面から取り組むべきだと主張。労働者派遣法の抜本的改正で非正規労働者を正社員にする、最低賃金の引き上げ、長時間・過密労働の是正、下請けいじめをやめさせる―など企業活動で得た富を国内に還流させる手だてをとることを提起しました。

 野田佳彦首相は、「外需に過度に依存せず安定した内需と外需を創造する」と述べたものの、大企業支援の対策を繰り返しました。

 大震災からの復旧・復興について市田氏は、「急ぐべきは安心できる住環境と仕事と収入確保の道の提供だ」と主張。事業所や店舗等への直接支援を求めるとともに、水産業支援の予算が1円も執行されていない事実を示し、支援に責任を果たすことを要求しました。

 野田首相は、仮設店舗への支援など従来の対策を列挙するだけでした。

 原発災害で市田氏は、“忘れてはならない”と所信表明でひとごとのような発言を行った首相に対し、「忘れてはならない」のは「安全神話」にどっぷりつかって対策もとらなかった原子力行政こそ責任が問われるべきだと強調。「原発ゼロをめざすのか、推進するのかが今鋭く問われる。期限を切った『原発ゼロ』の日本を目指すことを決断し、同時並行で自然エネルギーへの大規模な普及を進めるべきだ」と迫りました。

 野田首相は、「中長期的に原発への依存度を可能な限り引き下げる方向性を目指す」と従来の答弁を繰り返しました。





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