2011年9月16日(金)「しんぶん赤旗」
第36期囲碁新人王戦
決勝3番勝負 19日から
村川七段 関西棋院の実力派
安斎六段 若手棋戦で優勝も
関西棋院の村川大介七段(20)か、日本棋院の安斎伸彰六段(26)か。初手合いとなる注目の第36期囲碁新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝3番勝負は19日(月・祝)に、大阪市の関西棋院でスタートします。
村川七段は、1回戦で柳沢理志三段、2回戦で謝依旻女流三冠、準々決勝で2期連続準優勝の三谷哲也七段、準決勝で玉井伸三段を破っての決勝進出です。
昨年の関西棋院第一位決定戦で結城聡天元を破って優勝し七段に昇段しました。
今年はこれまで29勝8敗と好成績。8日の十段戦本戦では山下道吾本因坊をくだしました。日本代表としての国際棋戦への参加も増えています。
関西棋院所属棋士の決勝進出は第33期の河英一(は・よんいる)五段以来、2年ぶり7人目。優勝は今村俊也九段、結城聡天元の2人。段位の規定で今期がラストチャンスです。
一方の安斎六段は、1回戦で金丙俊(きむ・ぴょんじゅん)二段、2回戦で富士田明彦二段、準々決勝で沼館沙輝哉初段、準決勝で三根康弘二段(現三段)に勝って、決勝進出を果たしました。
今年の成績は17勝7敗。第59期王座戦の最終予選にも残りました。若手の棋戦・第2回おかげ杯で優勝し、非公式戦ながら棋戦初優勝を果たしました。
国際棋戦・第16期LG杯にも日本代表として出場。予選突破はならなかったものの、韓国の棋士に2連勝する活躍を見せました。
東西の若手実力者の対決に目が離せません。
尊敬する先輩につづきたい
![]() (写真)村川大介七段 |
今期新人王戦は苦しい碁が多く厳しかっただけに、決勝進出は本当にうれしい。今年が最後のチャンスで、こういう経験はこれまでの人生にはないことです。それだけに特別に力が入ります。
なかなかタイトルホルダーには勝てませんでしたが、先日、山下道吾本因坊に半目勝ちできたことは、決勝3番勝負を目前にして自信につながっています。
関西棋院では、今村(俊也)先生と結城(聡)先生が新人王になっています。尊敬する先輩であり、なんとしてもお二人につづきたい。
むらかわ・だいすけ 1990年12月14日生まれ。兵庫県出身。森山直棋九段門下。02年入段、10年七段昇段。08年関西棋院新人賞受賞。10年第54期関西棋院第一位決定戦優勝。関西棋院所属。
自分の力を全力で出し切る
![]() (写真)安斎伸彰六段 |
今期新人王戦は半目勝負が2局(対富士田明彦二段、三根康弘三段)あるなど運がよかった。これまでベスト4が最高で、決勝に残った以上は優勝をめざします。
村川さんとは公式戦では初手合いですが、彼が東京に来たときなどに研究会で打ったことはあります。ひじょうに冷静なイメージが残っています。ただ、それも1年以上前のこと。この1年間でいっそう力をつけてきているでしょう。
おかげ杯で優勝できたことは自信になっています。決勝3番勝負では、自分自身の力を全力で出し切りたい。
あんざい・のぶあき 1985年8月19日生まれ。埼玉県出身。宋光復九段門下。03年入段、09年六段昇段。08年第47期十段戦、第35期天元戦各本戦入り。11年第2回おかげ杯優勝。日本棋院東京本院所属。
見どころ 観戦記者に聞く
決勝3番勝負第1局の観戦記者、北川史朗さんに見どころを聞きました。
村川七段は小学6年生でプロ棋士となり、井山裕太元新人王に続く関西の逸材として早くから期待を集めてきました。まだ20歳ながら七段に昇段したため今期がラストチャンス。ぜひとも新人王のタイトルをその手に収めたいところです。
26歳の安斎六段も若手中屈指の実力派。富士通杯本戦出場、おかげ杯優勝と実績を積み上げてきました。
両者ともたたかいの碁が得意。やや村川七段が厚いと見ますが、安斎六段も地力十分です。決勝にふさわしい熱戦が期待できるでしょう。
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