2011年9月11日(日)「しんぶん赤旗」

鉢呂経産相が辞任

原発被害者踏みつけ 暴言繰り返す


 鉢呂吉雄経済産業相は10日、自らが8日に福島原発事故被害者の心情を踏みつけにする暴言を吐いた責任をとり野田佳彦首相に辞任を申し出て受理されました。就任からわずか9日目の辞任で、野田首相の任命責任が厳しく問われる事態となっています。


 辞任の原因となった暴言は、福島第1原発の視察を終えた8日夜、都内の議員宿舎に戻った際、取材で取り囲んだ10人ほどの記者のうち1人に防災服の腕の部分などを近づけ、「放射能を付けたぞ」という趣旨でおこなったもの。関係者の話で10日にわかりました。同氏は9日の記者会見では、原発周辺を「死の町」と表現し、発言を撤回して陳謝したばかりでした。

 鉢呂氏は辞任表明後の会見で、「国民、県民に大きな不信の念を抱かせた」「不用意な発言について真剣に考えさせていただき、決断をした」などと表明。首相から辞任を説得されたのかとの問いには「総理にお伝えして、受理された」と述べました。

 民主党政権の閣僚では、今年7月、当時の松本龍復興担当相が東日本大震災被災地で「知恵を出さないところは助けない」などの暴言を吐いて、就任わずか9日で辞任に追い込まれました。一連の事態は、震災復興、原発事故対応での政府・民主党の責任能力欠如を示しています。





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