2011年9月9日(金)「しんぶん赤旗」

太平洋島しょ国・国連総長が共同声明

温室ガス削減策すぐに


 オセアニアの地域協力機構である太平洋島しょ国会議(PIF)の首脳会議が6日から9日まで、ニュージーランドのオークランドで開かれています。今回の会議には国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が参加し、7日に温室効果ガス排出削減のための緊急の国際的取り組みを求める共同声明を発表しました。(小林拓也)


「国の沈没防げ」

 共同声明は、地球温暖化による海面上昇や二酸化炭素(CO2)が海に吸収されることで起こる海洋酸性化が、太平洋の島国で暮らす人々の生活や安全の最大の脅威になっていると指摘。島国の人々が生存できるために十分な温室効果ガス排出削減を求め、11月28日〜12月9日まで南アフリカ共和国のダーバンで開かれる国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で包括的な成果を達成する必要があると強調しました。

 国連のトップとして初めてPIF首脳会議に参加した潘事務総長は、会議前に南太平洋の島国キリバスを訪れ、海面上昇の現場を視察したことを紹介。キリバスは地球温暖化の「最前線中の最前線」に立たされており、「満潮時の水位は、われわれに行動のときが来ていることを示している」と述べました。

 現地からの報道によると、会議の中で、キリバスのアノテ・トン大統領は、低地国である同国は地球温暖化による海面上昇で海にのみ込まれつつあると訴えました。また10万人以上のすべての国民を人工島に移住させるという解決策を考えざるを得ないと指摘。島国の沈没を防ぐために地球温暖化に対し世界が速やかな行動を起こすよう求めました。


 太平洋島しょ国会議(PIF) オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、サモアなど南太平洋地域の14カ国・2地域からなる地域協力機構。1971年に南太平洋諸国会議として結成され2000年に改称。地球温暖化による海面上昇の影響を受ける島国が多く、温暖化に警鐘を鳴らし続けてきました。フィジーは軍事政権が総選挙を先送りしたため、09年5月から資格停止処分を受けています。





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