2011年9月6日(火)「しんぶん赤旗」

汚染水濃度が上昇

福島第1 除染装置故障で


 東京電力は5日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の高濃度放射能汚染水の浄化に使っている除染装置の故障で、処理後の汚染水の放射性物質濃度が上昇していると発表しました。

 仏アレバ社製の除染装置は8月31日、装置のポンプ付近で水漏れが見つかったため、水漏れ箇所をう回する経路を作って、装置の前段部だけを運転しています。

 経路を変更した後、除染装置を通った後の水に含まれる放射性物質の濃度を分析した結果、セシウム134、セシウム137が、故障前は1立方センチメートル当たり1ベクレル前後だったものが、1日以後は同10〜数十ベクレルで推移しているといいます。

 今後、ポンプを修理するか交換しなければ除染装置全体の運転を再開させることはできませんが、いつ修理などをするか決まっていないといいます。

 一方、3号機は、二つの経路から原子炉内に注水していますが、燃料下部から冷やす給水系の注水量を同日午後に毎時7立方メートルから6立方メートルに減らしました。燃料上部から冷やす炉心スプレー系からの同3立方メートルの注水量と合わせて同9立方メートルで冷却しているといいます。原子炉圧力容器下部の温度は、5日午前5時に98・5度でしたが、夕方には96・9度に下がったといいます。

 また、炉心スプレー系による注水が始まって以後、原子炉内の水位が下がり、8月末に比べて約1・5メートル下がっています。





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