2011年9月5日(月)「しんぶん赤旗」

岩手県議選・知事選

志位委員長の訴え


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(写真)訴える志位和夫委員長=4日、JR盛岡駅前

 4日、岩手県議選・知事選(11日投票)の応援で岩手県入りした日本共産党の志位和夫委員長は、県内3カ所で、県民の「三つの願い」を託してほしいと訴えました。

第一の願い――大震災からの復興

 第一は、大震災からの復興の願いです。

 志位氏は、復興の大原則として、(1)被災者の生活と生業(なりわい)の基盤の回復のために公的支援を行う(2)復興計画は、住民合意を尊重し、上からの青写真の押し付けを許さない―という二つを強調しました。

 この中で、「二重ローン問題」の解決でいま大切なのは、国が責任をもってすべての中小零細業者を救済の対象とし、債務を凍結・免除する公的機関をつくることだと力説しました。

 大企業の自由勝手な沿岸漁業参入を許す「水産特区構想」について、「水産業の一体的復旧こそ必要なのに、震災をチャンスとばかりに大企業に新たなもうけ口を提供するのはまともな政治ではありません」と強調すると、「その通り」の声があがりました。

 TPP(環太平洋連携協定)では、経団連が“大震災を乗り越えるためにもTPP交渉に早く参加しろ”と求め、野田首相も「早期に結論を得る」と推進の方針を述べていますが、参加すれば、岩手の米の95%がつぶされ、ワカメなどの水産業にも打撃を与えるだけでなく、建設業でも外国資本が参入し、公共事業の地元業者受注による経済循環が崩れると指摘。「震災に乗じた財界の横暴勝手を許さず、被災者の生活と生業の回復第一の真の復興を」と訴え、「そうだ」の声と拍手を受けました。

第二の願い――原発と放射能の不安をなくしてほしい

 第二は、原発と放射能の不安をなくしてほしいという願いです。

 志位氏は、東京電力の「賠償基準」は、セシウム汚染牛の損害について「検討中」で済ますなどあまりに遅く不十分だと指摘。党躍進で全面賠償を勝ち取ろうと訴えました。

 放射能汚染問題では、県内の幼稚園でも基準値を超えていることが問題になっていることを指摘し、自治体任せではなく国の責任で調査と除染に取り組むべきだと力説しました。

 野田首相は原発再稼働を進め、原発依存の継続を表明していると批判。県議会でも「原発撤退」請願の採決に民主・自民が反対したと告発し、電力会社の労組や役員からの献金という「原発マネー」に汚染され、「原発との共存」を強いる勢力に子どもたちの未来は託せないと強調しました。

 日本共産党は、1950年代から一貫して原発建設に反対し、住民とともに25カ所の原発計画を止めさせ、「やらせ」を明らかにして再稼働を止めてきたと述べると、盛んな拍手や指笛が起きました。

第三の願い――福祉と防災のまちづくり

 第三は、福祉と防災のまちづくりの願いです。

 志位氏は、福祉を大切にするまちは防災にも強いが、「オール与党」県政の実態はどうかと問いかけました。

 震災で自治体職員が不眠不休で働いているのに、県はこの4年間で1380人も削減してきた職員を今年度さらに1300人も削減するつもりだと告発。人減らしをやめ、福祉と防災を支えるマンパワー(人的資源)拡充をと訴えました。

 また、県立の高田病院や大槌病院が全壊するなど医療も深刻な被害を受けているのに、県の「復興計画」には被災県立病院の再建計画がないと批判。県と「オール与党」が震災前から進めてきた県立病院の縮小計画に固執しているからだと告発しました。病院の再建に真っ先に取り組むのがまともな自治体だと地域医療の再生を訴えると、大きな拍手がわき起こりました。





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