2011年9月2日(金)「しんぶん赤旗」

寝たきり専用4県10施設

山下議員質問受け政府が調査


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 全国の有料老人ホームのうち、寝たきり状態で常時介護が必要な高齢者だけを入居対象とする施設が、少なくとも4県に10施設あることが厚生労働省の調査でわかりました。

 調査は今年3月の参院予算委員会で、日本共産党の山下芳生議員が、口から食事をとれず、鼻やおなかに管を通す経管栄養の要介護者だけを入居させる、いわゆる「寝たきり専用賃貸住宅」の実態をとりあげ、細川律夫厚労相が実態調査を約束していたもの。

 山下議員は、入居者が医療、看護、介護のサービス利用にあたって指定された業者との契約を求められたり、自由を制限されたりするなど、高齢者を食い物にするようなビジネスの実態を明らかにしました。

 同省が都道府県を通じてまとめた結果によると、昨年10月31日現在、「有料老人ホーム(届け出済み)」と、「未届けだがそれに該当するもの」は計5966施設。そのなかで岐阜県に7カ所、秋田、神奈川、福岡の各県で1カ所ずつ寝たきり状態の高齢者だけを集めた施設がありました。

 同省は岐阜の7カ所に対して、「重要事項説明書」の内容を入居者に説明していなかったことや、苦情を解決する体制が未整備などの点で県が指導したとしています。


 山下芳生参院議員の話 質問を受けて厚労省が全国調査を実施したことは一歩前進です。しかし未届け施設の把握自体が難しい現状では、この結果ですべてとはいえません。私がつかんでいる愛知の施設の例も、今回の結果には入っていません。高齢者の人権が尊重されない、金もうけ目的の施設が広がることのないように、引き続き行政による実態把握と指導を進めることが重要です。問題の根底には、特別養護老人ホームなどの施設整備の遅れがあります。公的介護施設の整備・拡充を強く求めていきます。





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