2011年9月1日(木)「しんぶん赤旗」

被災者救援と原発撤退

どの党が願いに応えたか

通常国会閉幕


 220日におよんだ通常国会は31日、閉幕しました。東日本大震災と福島原発事故という大災害に直面するなか政治と政党のあり方がこれほど問われた国会はありません。何より政府と各党には、被災者救援と復旧・復興、原発撤退に踏み出すことが求められました。

 ところが、民主党政権は、救援・復興は大きく遅れる一方、「復興財源ねん出」を口実にマニフェスト(政権公約)を投げ捨て、消費税大増税と原発継続、米軍普天間基地の辺野古「移設」という古い自民党政治に逆戻りし、自公両党との大連立路線へと踏み出したのです。

子ども手当廃止

 象徴的だったのは自民、公明両党に屈し、看板政策の子ども手当を廃止した問題です。

 子ども手当は、「子育てを社会全体で支える」として国民の支持を集めたマニフェストの中心政策でした。ところが民主党は、2兆円もの大企業と大資産家減税を執行するために、特例公債法成立の取引材料として差し出し、廃止してしまったのです。

 「民主党は何のために政権交代したのか。根本がどこかにいってしまったのではないのか」。こう批判したのは、民主党議員ではなく日本共産党の佐々木憲昭議員。他党から「胸がスカッとした」との声が上がるほど、政権交代に託した国民の願いに応えるのはどの党かを鮮やかに示すものでした。

 総選挙で厳しい審判を受け、「猛省」を誓った自民党はどうか。子ども手当を廃止に追い込み、「早く追いついてこい」と消費税増税をけしかけ、原発を大量建設した自らの責任には何の反省もないまま、安全対策も取らず再稼働を求める原発固執ぶりをあらわにしました。

 もはや国民にとって有害な存在でしかないことを示す出来事が、内閣不信任騒動です。

 民主党の反執行部勢力の同調に期待して、不信任案可決を画策。被災者そっちのけで党利党略の醜い政争に明け暮れました。

 「中身がないスッカラ菅(かん)だ」「顔が見たくないなら法案を通してみろ」―互いにののしりあいながらも政争に汲々(きゅうきゅう)とし、悪政押し付けのためには大連立もいとわない―二大政党が深刻なゆきづまりに直面していることも明らかとなりました。

 これに対し、被災者の立場に立って救援と復興、原発からの速やかな撤退を求めた日本共産党の論戦は注目を集め、政治を動かす役割を果たしました。

 「そんな政党があったのか」と福島原発事故を警告した唯一の党として原発問題を追及したのをはじめ、「二重ローン問題」解決の具体的提案は与野党を動かし救済スキーム(枠組み)が前進する力になりました。原発の「やらせ」問題の追及は、再稼働やプルサーマル運転の中止に追い込みました。

新たなたたかい

 「国民に現状を知らしめながら、政府に対応を迫る国会質問の真骨頂だと思いました。国民の側に目を向けた活動をされていることがよくわかります。あなた方は、希望です」

 テレビで日本共産党の質問を見た男性が寄せた感想です。

 大震災からまもなく6カ月。自公との大連立をめざす3人目の首相が誕生しました。政治はいったいだれのためにあるのかが改めて問われるなか、今国会で広がった日本共産党に対する注目と関心、共同の輪をさらに広げて、古い自民党政治の枠組みを大本から変える新たなたたかいはすでに始まっています。(深山直人)





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp