2011年8月26日(金)「しんぶん赤旗」
母天体が壊れ再結集
「はやぶさ」試料 「イトカワ」の起源判明
日本の探査機「はやぶさ」が人類史上初めて小惑星「イトカワ」から持ち帰った微小な粒子の初期分析の結果が6編の論文にまとめられ、26日発行の米科学誌『サイエンス』に発表されました。イトカワは、もともとあった大きな天体が衝突で壊れた後に再結集したものだったことなど、激しい歴史の一端が明らかになりました。
発表したのは、日本の研究者を中心とする六つの研究グループです。各グループは、電子顕微鏡やX線回折など、それぞれ異なる方法でイトカワの粒子を分析しました。その結果、粒子には長期間、800度程度の熱にさらされていたものがあることがわかりました。
これは粒子が、直径20キロメートル程度の大きな天体の内部にあったと考えないと説明できないといいます。また粒子には、強い衝突の痕跡が確認されました。イトカワは最大の幅が500メートル程度です。研究グループは、直径20キロメートル程度の小惑星に別の天体が衝突して粉々になった後、一部が集合してイトカワになったと考えています。
地球に落下する隕石(いんせき)の大部分はイトカワのような石質小惑星を起源としているという、これまでの説が正しかったことも確かめられました。

