2011年8月25日(木)「しんぶん赤旗」

民主党代表選の異常

“小沢詣で”と“原発推進”


 「民主代表選の茶番。誰も政策論争をしない」「小沢さんの動きとかの政局より、日本をどうしていきたいのか、政策を聞きたいよ」。いま、インターネットの「ツイッター」(短文投稿サイト)ではこんなつぶやきが交わされています。27日告示、29日投開票の日程が決まった民主党代表選。“争点なき票集め”の異常な実態となっています。


天まで持ち上げ

 「小沢さんが政治とお金の問題で責任を取られてからまだ数カ月しかたっていない」

 今回の代表選でマスメディアが“最有力”と持ち上げる前原誠司前外相が、昨年9月の代表選の際、小沢一郎氏が出馬表明したことを批判した発言です。

 それから約1年後の24日、前原氏は自身の立候補にあたり、この小沢氏の支援を乞うために同氏の事務所を訪れました。前原氏自身も今年3月、外国人や暴力団関係者から献金を受けた問題で、外相を辞任しました。こちらも「責任を取ってから数カ月しかたってない」のに…。

 代表選では、前原氏以外に、野田佳彦財務相、海江田万里経済産業相、鹿野道彦農水相、馬淵澄夫前国土交通相などが立候補予定とされますが、いずれも小沢氏すり寄りでは大差ありません。

 野田氏も「反小沢」と目されてきましたが、18日の講演では「依然として政局の中心にいる稀有(けう)な存在のすごい力量の方」と天まで持ち上げました。

 今回の民主党代表選は、国会議員による投票で決まります。その投票で党内最大勢力とされる「小沢グループ」(約120人)の票欲しさの行動です。

 小沢氏の方はといえば、「政治とカネ」をめぐる強制起訴で、現在、党員資格停止の身分。29日の代表選では投票する権利さえありません。にもかかわらず、24日、「われわれの主張により近い人を選んで国民の信頼を取り戻すことが大事だ」と訴えるなど、“キングメーカー”気取りです。

国民の失望増す

 ツイッターでは、「民主代表選の争点に原発の是非が挙げられていないこと自体、異常なこと。国民は完全になめられている」などの声も。立候補の意思を示している議員は、口を開けば「原発推進」ばかりです。

 前原氏は、23日の出馬表明で、「多くの国民のみなさんが政治に失望されているのではないか。日本のことを本当に考えているのかという議論も行われている」などと述べましたが、“小沢詣で”と“原発推進”では国民の失望を増すだけです。

 路線的に自民党政治と完全に一体化したうえに、恥も外聞もかなぐり捨てて票集めに走る姿。それは、「二大政党」の政治的劣化を浮き彫りにしています。





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