2011年8月19日(金)「しんぶん赤旗」
米、来月にも新雇用策
経済政策支持が26%
大統領選前 オバマ氏正念場
オバマ米大統領は17日、低迷する景気の打開をねらって、9月のレーバーデー(5日)明けにも、新たな雇用対策を打ち出すことを明らかにしました。来年の大統領選を前にして、支持率が下降傾向にある同大統領にとって正念場のもとでの政策提起となります。
オバマ大統領は17日のイリノイ州でのタウンミーティングで「人々が雇用を得るような新たな提案をするつもりだ。さらなる財政赤字削減にも努める」と表明。新たな提案に伴う財政出動には、下院で過半数を占めている共和党の抵抗が予想されることを念頭に、「党派のことより先に、国家のことを考えよう。次の選挙のことではなく次の世代について考えよう」と呼びかけました。
新たな雇用対策の内容は明らかにされていませんが、ワシントン・ポスト電子版(18日)が、政府当局者の話として伝えたところによると、新たに労働者を雇用した企業への減税、道路など社会基盤への新たな投資と雇用創出、長期にわたる失業者への支援策などです。
米景気の先行きに懸念が出ていることについて大統領は、CBSテレビのインタビューで「新たな景気後退期に入る危険はない」と指摘。その一方で、高止まりしている失業率の急速な改善は望めないとの認識を示しました。
ギャラップ社が17日発表した世論調査によると、オバマ大統領の経済政策に対する支持率は26%で就任以来最低となりました。これは5月半ばの37%と比べ11ポイントの下落です。逆に、経済政策を支持しないとの回答は71%へと増加しています。
来年11月の大統領選を前に、共和党が対決姿勢を強めているもとで、オバマ政権が新たな雇用対策で議会の同意をとりつけることができるのかどうか。複雑な局面が予想されます。(西村央)
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