2011年8月17日(水)「しんぶん赤旗」

福島第1

水処理不具合37件

6月10日から 循環冷却の要


 東京電力は16日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の高濃度の放射能汚染水を処理する水処理システムで相次いでいるトラブル一覧を公表、6月10日から37件発生していることを明らかにしました。

 水処理システムは油分離装置やセシウム吸着装置、除染装置、淡水化装置の四つの装置で構成されています。これらは汚染水の放射能の濃度を下げ、油分や塩分を取り除いた後、再び原子炉に注水する「循環注水冷却」の要です。しかし、装置の試運転時から作業ミスや装置のトラブルが絶えず、当初予定した稼働率の7割前後の実績しか得られず、不安定な状態にあります。

 東電がまとめたトラブル一覧によると、6月10日から今月13日まで37件のトラブルが発生、2日に1件以上の割合で起きていることになります。内訳は12件がセシウム吸着装置関連、11件が除染装置、7件が淡水化装置で、ほかに信号トラブルなどがあり、原因が特定されていないものが少なくありません。

 とくにセシウム吸着装置のポンプが4台故障したままで、「施工不良が考えられる」としています。東電は原因究明チームを作り、詳しい調査を進めるといいます。





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