2011年8月12日(金)「しんぶん赤旗」

中国が高速鉄道を減速

調査チーム改組 鉄道省も調査対象


 【北京=小寺松雄】中国政府は温家宝首相が主宰した10日の国務院常務会議で、7月に起きた高速鉄道事故を受け、新たに建設される高速鉄道の開業当初の運転速度を、安全確保のために減速することを決めました。また盛光祖鉄道相はこの日の会議後に中国メディアに対し、現在営業中の高速鉄道についても減速することを明らかにしました。


 盛氏によると、現在最速の上海―杭州路線は最高時速350キロを300キロに、北京―上海は同300キロを250キロに減速。同200キロの在来線も160キロに下げます。

 温首相は7月28日に事故現場に出向いて記者会見し、「速度第一ではなく、安全第一だ」との指示を出しており、これに沿った措置となりました。

 常務会議では7月の事故について「事故原因の徹底的解明と徹底的反省」を確認。今後の調査では「直接的原因だけでなく、事故発生の根源にまでさかのぼり、設計、製造、管理という側面から根源的な問題を明らかにする」ことを決めました。

 また、認可されたものの未着工の鉄道計画については安全性の再評価を実施。新たな鉄道建設は一時停止することも確認しました。

 常務会議では盛鉄道相も発言し、「安全管理の不十分さと事故後の対応の経験不足」を反省すると述べました。

 また会議の結果、これまでの政府の調査チーム(責任者=駱琳国家安全生産監督管理総局長)を改組。副責任者だった彭開宙鉄道省次官をはずし、代わりに工業・情報化省次官らを充てました。鉄道省幹部が調査チームに含まれていることへの世論の批判が強いためです。

 新たな調査の点検項目には「重要な職にある職員の出勤状況」も含まれるなど、鉄道省の体質にも調査が及ぶものとみられます。

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