2011年8月9日(火)「しんぶん赤旗」

シリア弾圧 55人死亡

国際的非難 高まる


 【カイロ=伴安弘】シリアのアサド政権は国連や欧米諸国などの国際的非難にもかかわらず、民主化を求める民衆の弾圧を続けています。7日には東部最大の都市デリゾールの市民に対し戦車や治安部隊による砲撃・銃撃を加え、少なくとも42人を死亡させました。また中部ホムスの北30キロの村フラでも10歳の少年を含む13人を死亡させました。

 9日間政府軍によって包囲されてきたデリゾールでは、この日の早朝、戦車数十台と装甲車両が市内に突入。住民の1人は「私たちは四方から包囲されている」と英BBC放送に訴えています。一方で、同市の民主化運動参加者たちは政府軍の一部の兵士が市民の側に立ち、市民を守ろうとしているとも述べています。

 西部で反政府運動の拠点になっているハマでも政府軍の包囲が続いており、7月31日以来の同市での弾圧による死者は300人以上に上っているといわれます。

 アサド大統領は7日、レバノンのマンスール外相に対し、「道路を寸断し、住民にテロを加える無法者への対処は国家の義務だ」と述べ、政府軍の行動を擁護しました。

 一方、アラブ連盟はこの日、初めて声明を発表し、シリア政府に対し暴力の「即時停止」を呼びかけ、ローマ法王も「シリアでの暴力の増大」に「深い憂慮」を表明しました。

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