2011年8月8日(月)「しんぶん赤旗」

労災の認定基準示せ

内部障害者過労死で田村議員


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(写真)質問する田村智子議員=3日、参院行政監視委

 日本共産党の田村智子参院議員は3日の参院行政監視委員会で、障害者の過労死認定判決を受け障害者の労災認定基準を示すよう国に迫りました。

 田村氏が取り上げたのは、心臓に障害をかかえ愛知県豊川市のマツヤデンキに勤務していた小池勝則さん=当時(37)=の過労死裁判。心臓疾患の危険が増えるとされる月45時間の時間外労働という「平均的」労働者の労災認定基準を機械的に障害者に当てはめられるのかが争われた裁判でした。名古屋高裁は「当該労働者(の症状)が基準となる」として過労死と認定しましたが、国が上告。最高裁は上告を受理せず、高裁判決が確定しました。心機能障害をもつ障害者の過労による労災認定は初めてです。

 田村氏は、同高裁の判決の労働基準監督署への徹底を求めるとともに、重篤な基礎疾患を持つ労働者の「業務が過重か」をどう判断するのか質問。厚労省の鈴木幸雄労働基準局労災補償部長は、「平均的な同僚」との比較で労災認定を行うとしました。

 田村氏は「それでは重篤な内部障害を持つ障害者には、業務が過重かどうかの判断基準はないに等しい」と批判。さらに内部疾患を持ちながら働く障害者の数は12万人近いと推計され、改正障害者基本法では、障害者の社会参加における社会的障壁を取り除く義務が国にも課せられていると指摘。「このままでは障害者は労災認定で差別されている。安全管理の基準、労災認定の基準を踏み込んで検討すべきだ」と重ねて求めました。

 細川律夫厚労相は、「障害者雇用に関する『合理的な配慮』の検討状況も踏まえて、検討していきたい」と述べました。





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