2011年8月6日(土)「しんぶん赤旗」

民主化デモ 全土で続く

ハマ 3日も発砲で37人死亡

シリア


 【カイロ=伴安弘】シリアで3月半ばに始まった民主化要求デモは、アサド政権の民衆抑圧に対する怒りと相まって、流血の弾圧にもかかわらず、4カ月半たった今も全土で繰り広げられています。

 7月31日の弾圧で市民100人が死亡した西部のハマ(人口80万人)では、3日も政府軍戦車の砲撃や治安部隊の発砲で少なくとも37人が死亡したと伝えられています。

 中東のテレビ局アルジャジーラはこの日のハマの様子を伝える映像を放映。市民は大通りを埋め尽くし、エジプトなど中東の変革で使われたスローガン「人々は政権の退陣を求めている」を唱和しました。

 シリアには外国人記者の入国が禁じられています。人々はデモや治安部隊・政府軍による弾圧の模様を海外に伝えようと、映像をインターネットに流しています。

 シリアで20年間投獄されていた著名な反政府活動家のリヤド・アルトゥルク氏(81)はロンドン発行のレバノン紙アルハヤト(7月29日付)で、反政府デモには「政治的な旧来の指導者がいない」と指摘。アラブの旗手と呼ばれたエジプトのナセル元大統領など、カリスマ性を備えた指導者が軍事クーデターで「変革」を進めた「過去のアラブの革命は終わった」と述べています。

 そして「民衆が自分たちの代表を選ぶ権利を獲得すれば、力のある野党が誕生し、信頼できる正当な政府も生まれる」と指摘しています。





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