2011年8月6日(土)「しんぶん赤旗」

原発「やらせ」・報道監視問題

井上議員 原発撤退、広報見直せ

経産相 質的に変え縮小する


 5日の参院決算委員会で、原発押し付けの「やらせ」や報道監視問題を取り上げた日本共産党の井上哲士議員。「安全神話」をふりまき、無法なやり方で原発を押し付ける政府をただしました。


参院決算委

写真

(写真)質問する井上哲士議員=5日、参院決算委

 井上氏は、原子力安全・保安院が、2006年と07年に行われた国のシンポジウムで、中部電力と四国電力の社員に対し、「やらせ」発言を要請していた問題をとりあげ、「規制機関である保安院が推進の立場でやらせを要請していたことは極めて重大だ」と指摘。資源エネルギー庁が二つのシンポを日本生産性本部にそれぞれ2272万円、1995万円で委託したことを明らかにさせました。

 井上氏は、日本生産性本部の評議員に東京電力の勝俣恒久会長が就くなど各電力、原発メーカー、元通産事務次官などが役員に並んでいることをあげ、こうただしました。

 井上 こういう団体に委託することと「やらせ」とは、「安全神話」を振りまいて原発を推進していくシナリオと一体のものではないか。

 海江田万里経産相 現段階では判断できない。第三者委員会で徹底的に事実を解明していただく。

 井上 保安院には原子力行政に携わる資格がない。トップをすげ替え、他の省に付け替えればすむ話ではない。保安院は解体し、新たにつくる規制機関は原発からの撤退をすすめる機関として位置づけるべきだ。

 資源エネルギー庁は、原発に対する新聞・雑誌などの「不適切・不正確」な報道を日常的に監視する「即応型情報提供事業」を行っています。11年度の補正予算ではさらに、8300万円をかけて、一般市民が発するネット上の情報も監視しています。

 井上 何をもって「不適切」というのか。「安全神話」に反する報道が不適切なのか。「絶対事故は起こらない」などの無責任な発言こそ不適切だ。

 海江田経産相 不適切と認定する絶対的なものさしはない。正確な情報を与えるのは必要だ。

多額の委託金

 細野哲弘資源エネルギー庁長官は、「不適切・不正確な情報」件数について報告しました(別表参照)。井上氏は、「不正確情報」はわずかなのに、多額の委託金が支払われていると指摘。この事業を受注した日本生産性本部や日本科学技術振興財団などは電力会社幹部が役員に並んでいることを示して追及しました。

 井上 被災者の救援や復旧のための予算であるはずの1次補正に計上された8300万円は執行停止にすべきだ。

 海江田経産相 カットし有効に使うということで役立てたい。

 井上氏は、政府の原子力広報予算は6年間で404億円、財源は電気代に含まれる電源開発促進税だと指摘し、見直しを要求。海江田経産相は、「これまでは安全安心のキャンペーンだったが、質的に変化させて全体を縮小していく」とのべました。

 井上氏は、「『安全神話』の虚構の上につくった原発から撤退し、こうした広報予算はただちに見直すべきだ」と主張しました。

表




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