2011年8月5日(金)「しんぶん赤旗」
関西電力 福井の原発7基
再稼働差し止め仮処分申請
原告・弁護団が会見
定期検査そのものが違法
福井県にある関西電力の原発7基の再稼働差し止めを求めた2日の仮処分申請。大津地裁へ滋賀県民ら168人(福井1人、京都6人、大阪5人を含む)が申し立てました。
原告団長で「明るい滋賀県政をつくる会」の辻義則代表(64)は「(原発は)今まで隣の県のことだったが、福島の事故を目の当たりにして、福井の原発問題はわがことになった。将来万が一のことが起こった時、何もしていなかったとなると後世に重大な禍根を残す」と語りました。
吉原稔弁護団長は「従来の裁判は運転中の原発の停止を求めたものだったが、今回の仮処分申請は(再稼働に必要な)定期検査が違法であるということを主張したもの」と強調。理由として、菅首相が6月17日の参院復興特別委員会で「これまでの指針をクリアした福島原発が重大な事故を起こしたのだから、指針が十分ではなかった」と安全審査指針が事実上失効していることを認めたことをあげました。仮処分とした理由は、本訴では時間がかかって再稼働されてしまうからだと説明しました。
弁護団には、北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の運転差し止め訴訟で、2006年に初めて原発の運転差し止めを命じる判決を出した金沢地裁裁判長(当時)の井戸謙一弁護士も参加しています。
井戸氏は「第2の福島が起こる危険性について、裁判官は現実感を持ってとらえることができる。今後の原発裁判は今までの原発裁判と様相を異にするだろう」と話しました。
「原告団」のスローガンは、「原発の脅威から生命と琵琶湖を守る」です。
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