2011年8月1日(月)「しんぶん赤旗」

中国 高速鉄道事故 発生から1週間

補償対応が問題化


 【北京=小寺松雄】中国浙江省温州での高速鉄道事故での犠牲者の遺族への補償などをめぐり、中国当局のさまざまな対応が問題となっています。

 鉄道省は事故直後に「1人50万元(約600万円)」としていた遺族への補償金を、7月29日になって91万元(約1100万円)に引き上げると発表しました。

 28日に事故現場を訪れた温家宝首相が市内で遺族を見舞った際、補償額引き上げを訴えられ、善処を約束した結果とみられます。鉄道省は30日、40人の犠牲者の遺族のうち10家族と補償金で合意したと明らかにしました。政府はこの引き上げで補償問題を落着させたい意向です。

 一方、中国メディアによると、温州市司法局が弁護士に対し、「事故は敏感な問題」だとして、遺族から補償問題などで相談を受けた時は市に報告し、独断で法律業務をしないようにとの通知を出していました。ある弁護士がこれを公表した結果、市は通知を撤回していました。

 また一部の遺族には、7月中に補償額で合意するよう圧力がかかったことも報じられています。





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