2011年7月30日(土)「しんぶん赤旗」

ねつ造された“安全”

保安院やらせ 地元・関係者ら怒りの声

規制機関ではないこと示す


 やっぱり、国がかかわっていた―。4年前のプルサーマル発電のシンポジウムで、経済産業省原子力安全・保安院から中部電力に「やらせ質問」を要請していたことが29日、明らかになりました。電力会社を監視する立場にある保安院による「やらせ」主導に、関係者からは驚きを通り越して、怒りの声があがりました。


 原発問題住民運動全国連絡センターの伊東達也筆頭代表委員 原子力安全・保安院が決して規制機関ではないことを天下に示したばかりではなく、原発推進の中心官僚であることを示した事件である。国はコンプライアンス(法令順守)をいうが官僚たちは、社会の最低限のルールさえも守らない。プルサーマルの安全性にお墨付きをあたえるのは原子力安全・保安院だが、まったく法律の精神を逸脱している。国の「やらせ」は73年の福島第2原発をめぐる初公聴会から始まった。原子力安全・保安院は、原発事故で苦しんでいる被害者に謝罪したうえ、真の規制機関となるべく経済産業省から独立すべきである。

「世論ゆがめた」弁護士ら

 中部電力浜岡原発3〜5号機の永久停止を求めた訴訟に携わる大橋昭夫弁護士は「命に関わる問題で、自由に発言をさせないとは」と憤ります。

 大橋弁護士は、保安院が直接関与したことについて、九州電力の玄海原発再稼働をめぐる「やらせメール」問題よりも悪質だと指摘。「国民の意見を真摯(しんし)に聞かなければならないのに、世論をゆがめた。許せない」と語りました。

 浜岡原発の近くで民宿を営む女性(45)は「九州電力のようなことを国までしていたなんて信じられない」とあきれ、「不正なやり方には納得がいかない」と続けました。





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