2011年7月28日(木)「しんぶん赤旗」

やらせメール説明会請負の日本生産性本部

電力・原発メーカーずらり

国の原発広報8億円受注


 九州電力による玄海原発(佐賀県玄海町)をめぐる、やらせメール問題の“舞台”となった経済産業省主催の「説明番組」を請け負った財界系シンクタンクの公益財団法人「日本生産性本部」。2006年〜10年の5年間に、34件、約8億円にのぼる国の原子力広報・公聴事業を受注していたことがわかりました。同本部は電力、原発メーカーなどの幹部が役員にずらりと名前を連ねる「原発利益共同体」の有力団体。税金を使った原子力広報・公聴事業の不公正で、いかがわしい実態を浮き彫りにするものです。


吉井議員まとめ

 日本共産党の吉井英勝衆院議員が、経済産業省と文部科学省提出資料でまとめたもの。

 これによると、同本部(旧社会経済生産性本部ふくむ)が受注した、おもなものは次のようなものです。

 「原子力意識動向調査」(07年、999万6000円)

 「島根原発2号機でのプルサーマル計画及び耐震安全性に関する住民説明会」(08年、1466万9000円)

 「エネルギー教育推進事業」(同、2億9566万4000円)

 「プルサーマルの必要性、安全性及び耐震バックチェックの地元説明会」(09年、1055万5000円)

 「原子力・放射線に関する教育職員セミナー(基礎コース)」(10年、4215万5000円)

 計34件で、総額7億9064万円にのぼります。

 34件のなかには、「原子力発電所では、放射性物質がもれないよう、五重のかべでしっかりととじこめています」(「わくわく原子力ランド」小学生用)などと、「安全神話」を小中学生にふりまく副読本の製作も含まれています。

 この34件中、15件は応札者が日本生産性本部しかない事実上の随意契約でした。今回の九電やらせメール問題の「説明番組」も同様でした。

 日本生産性本部は、財界主導の「二大政党制づくり」をすすめた「21世紀臨調」(新しい日本をつくる国民会議)の事務局を置くなど、財界の中心的シンクタンク。評議員に東京電力の勝俣恒久会長、幹事会幹事には、各電力の会長、社長や原子炉メーカーの相談役、通商産業省(現経産省)の元事務次官らが名前を連ねる、文字通りの原発推進団体です。(表参照)

 同本部が受注したこれら原子力広報・公聴事業の予算は、国民が払う電気料金に含まれている「電源開発促進税」を財源とする「電源開発促進勘定」から支出されています。

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