2011年7月26日(火)「しんぶん赤旗」

与野党協議進展なし

米債務上限引き上げ難航


 【ワシントン=小林俊哉】米連邦債務の法定上限引き上げをめぐる与野党協議は、24日も目立った前進がなく終わりました。ホワイトハウスは、8月2日までに引き上げを実施しなければ、米国が初の債務不履行に陥ると警告しています。

 同上限の引き上げは従来、何度も行われ、共和党のレーガン政権(1981〜89年)下では18回も実施。オバマ大統領は22日、「歴史的に、債務上限がこれほど政治問題化したことはない」と述べています。

 事態が難航しているのは、債務上限を引き上げる条件として、財政再建に向けた長期的道筋を示すよう野党・共和党が要求したためです。

 医療費の自然増さえ認めず、社会保障分野の大幅削減策を示す同党に対し、オバマ政権は歳入改革も行う必要があると主張。富裕層、石油産業などへの増税を含め、4兆ドル規模の財政再建策を提示しました。

 これに対し共和党側は、富裕層増税は「雇用殺し」などと主張して、増税反対の一本やり。22日にはベイナー下院議長がオバマ氏に、ホワイトハウスとの協議を打ち切る意向を伝えました。

 しかし世論調査では、多くの国民が富裕層や一部産業向け優遇税制の廃止を支持しています。また、債務上限引き上げの遅れによる「債務不履行」には、米金融界や米国商業会議所も、強い懸念の声を挙げています。

 交渉の席を立ったことから、共和党側も独自の妥協案づくりに迫られています。

 米メディアによると、ベイナー氏らは、長期的財政再建策については「(時間的に合意が)不可能」として後日に協議を先送りする一方、当面1兆ドルの歳出削減とひきかえに同額の上限引き上げを認めるとする「2段階案」を検討しているといいます。

 ただガイトナー財務長官は24日放映の米CNNの番組で、この案に難色を示しました。





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