2011年7月25日(月)「しんぶん赤旗」

ARF議長声明 南北対話を歓迎

海洋安全保障も協議へ


 【ヌサドゥア(インドネシア・バリ島)=面川誠】当地で23日に開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)外相会議は、韓国と北朝鮮が22日に行った6カ国協議首席代表会談を歓迎することなどを盛り込んだ議長声明を発表しました。

 声明は、首席代表会談が2008年12月以来中断している6カ国協議の再開に向けた積極的な一歩だと評価。同時に、北朝鮮の濃縮ウラン製造活動に深刻な懸念を表明し、核計画の放棄を求めました。

 日本人拉致問題については、「解決済み」とする北朝鮮の主張と、「未解決」とする日本側の主張を併記しました。

 また、ASEANと中国が南シナ海行動宣言(DOC)ガイドラインに合意したことを歓迎し、法的拘束力を持つ行動規範(COC)締結へ進む必要があると指摘しました。

 声明によると、ARF外相会議は東アジア・太平洋地域の海洋安全保障面で具体的な協力を進めるための「ARF海洋安保作業計画」の採択に向けて、高官協議を開くことに合意しました。

 東アジアの政治・安保協力の強化については、ARFが「中心的な柱」として役割を果たすとともに、ASEAN拡大国防相会議と東アジア首脳会議(EAS)も地域枠組み構築に寄与するとして、「役割の重複を避けながら、相互補完的な相乗効果を発揮させる」としています。


 ASEAN地域フォーラム(ARF) 東南アジア諸国連合(ASEAN)が、域外国を招く形で始まったアジア・太平洋地域全体の政治や安全保障問題を多国間で討議する対話フォーラム。参加国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟の10カ国と日本、中国、韓国、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、ロシア、インド、パキスタン、モンゴル、北朝鮮、東ティモール、バングラデシュ、スリランカの計26カ国と欧州連合(EU)。





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