2011年7月25日(月)「しんぶん赤旗」

NHK「日曜討論」

穀田国対委員長の発言


 日本共産党の穀田恵二国対委員長が24日のNHK番組「日曜討論」で行った発言は次の通りです。

マニフェスト見直し発言―民主党は自民党回帰

 冒頭、民主党の岡田克也幹事長の「(マニフェストの)見通しの甘さについておわびしたい」との発言が話題になり、同党の安住淳国対委員長が「私もまったく同じ考え」と発言。自民党の逢沢一郎国対委員長は「わびたというなら、子ども手当などが人気取りのバラマキだったと非を認めるべきだ」と述べました。

 穀田 あのマニフェストは民主党が総選挙で掲げ、「政治を変えたい」という国民の期待を集めたものなのだから、それに対する裏切りだとまずはっきりさせないといけない。もう一つ大事なことは、その中心内容はすでに変えているということだ。辺野古への米軍基地「移設」問題では、(前首相の)鳩山さんの時代に必ず県外に移転といった内容を取り下げている。そして今、消費税の増税に踏み込んでいる。自民党は「われわれはすでにルビコンの川を渡っている」と言っているが、民主党政権も自民党への回帰の姿が明確になったということだ。そういう意味では、国民は今後、政治の内容について本当に新しい模索をし、運動を始めると思います。

 安住氏はマニフェストについて「できなかったことは国民におわびし、次のステージに入らせてほしい」などと発言。逢沢氏は、子ども手当や高校授業料の無償化などについて「不要不急だ」と撤回を求め、3次補正予算での減額補正が、特例公債法案の成立に協力する条件だと話しました。

 穀田 子どもの発達や教育にかかわる予算を、首相退陣などの政局にからめて取引の条件にするのは、まったく不謹慎だ。民主党のマニフェスト変更も、まじめな政策検討というより政局がらみだ。(特例)公債法案の提出以来、民自公3党が密室で協議していることについても厳しく指摘しておかなければならない。

 問題は、本当に削るべき予算がないのかということだ。原発推進の予算を削る。法人税減税や大資産家優遇税制をやめる。こういう政治の転換こそ求められていると考えます。

再生エネ法案―原発撤退決断し、政策転換を

 政府提出の再生可能エネルギー買い取り法案について問われた穀田氏は次のように答えました。

 穀田 これは、導入を求める国民世論が背景にあったもので、日本共産党は2004年の参院選挙ですでにそういう提唱をしています。政府の法案の問題点は、(買い取り費用を)電気料金に上乗せするという安易な方向を選んでいるということ。私どもはこうした点について修正案を出したい。原発推進に使われている電源開発促進税が3500億円程度あるので、これを利用する。同時に、原発からの撤退を明確に政治決断することが大事です。というのは、自公、民主政権の5年間で原子力関係でいうと2兆円のお金が注ぎ込まれたのですが、自然エネルギーに対しては6500億円に抑えられている。その転換が必要だ。最後に、再生エネルギーの潜在能力は環境省の発表でも日本の原発54基の40倍にあたる。そういう見込みをしっかり見てやりたい。

 安住氏は「今週中に衆院で修正合意して、来月早々にも参院に送らせていただければ」と発言。逢沢氏は「電力を大量に使う業界にどう配慮するか。電力料金が上がるのは、経済界からすると危ぐが出てくる」と財界よりの立場から慎重な姿勢を示しました。

原賠支援機構法案―天井知らずの救済策。東電は全面賠償を 

 安住氏はまた、原子力損害賠償支援機構法案については来週早々にも修正協議も終え、参院に送れると述べ、自公などが求めている「国の責任の明確化」が大事だと発言しました。これに対して穀田氏は、法案に反対する立場を表明しました。

 穀田 これは東電を救済するものです。とくに交付国債や政府保証で4兆円ということになっており、閣議決定では、天井知らずに「何度でも資金援助」するということまで決めている。そういう点では自民党の主張も、「国の責任」と称して、実際は東電の責任をあいまいにするものだ。共産党は、まず東電に全資産を提供させる、その上で、原子力発電(事業者)、メーカー、メガバンク、電気事業連合会などにしっかり負担してもらうことが必要だ(と考えています)。この間も国会で電気事業連合会の代表が「国の責任と負担の明確化」なんてことをぬけぬけといっているが、冗談じゃない。国の責任はそういうところにきっちり責任を持たせること、東電には全面賠償をさせることだ。

 最後に穀田氏は「『脱原発』の発言を行いながら『個人的見解』という菅さんに総理の資格はない。同時に原発推進では自民党も変わらない。政治全体を変えることが必要だ。どんな政権に対しても、私どもは被災地に寄り添っていきたい」と決意を表明しました。





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