2011年7月17日(日)「しんぶん赤旗」

ASEAN会議開幕

南シナ海問題 焦点に

中国と対立 米、関与強める


 【ヌサドゥア(インドネシア・バリ島)=面川誠】東南アジア諸国連合(ASEAN)主催の一連の会議が16日、当地で始まりました。中国、米国なども参加して23日に開かれるASEAN地域フォーラム(ARF)外相会議では、領有権問題で緊張が高まっている南シナ海問題が焦点となります。


核保有5カ国への呼び掛け文書調整

 アジア・太平洋地域の安全保障を話し合うARFは今回、海洋紛争の防止を目指して昨年採択された「行動計画」に基づき、予防外交の強化のための「作業計画」を協議します。

 南シナ海をめぐっては今年に入り、フィリピンとベトナムが資源調査活動を中国に妨害されたと繰り返し抗議。米国も同海域での航行の自由を理由に「死活的な利益」を持つとして関与を強めています。

 これに対し中国は、領有権を主張する国々だけによる2国間交渉を主張し、多国間の枠組みでの話し合いに消極的。とりわけ米国と東南アジア諸国が連携を強めることに反発しています。

 こうした対立が、予防外交「作業計画」の協議にも影響を与えそうです。

 16日には東南アジア非核兵器地帯条約(SEANWFZ)委員会が作業部会を開き、核保有5カ国(米英仏中ロ)にSEANWFZ議定書への署名を呼び掛ける文書の内容を最終調整しました。この文書は19日のASEAN外相会議で採択される予定です。SEANWFZ議定書は、条約加入国であるASEAN10カ国に対する核兵器使用、使用の威嚇を禁じています。

 このほか21日にASEANプラス3(日本、中国、韓国)、22日に東アジア首脳会議(EAS)の外相会議がそれぞれ開かれます。





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